2017/01/29

「さよなら」を歌った理由(わけ)

昨日はAQ五行歌会でした。
私の歌はプリントの一番最後で、作者コメントを待たずに私の歌とだいたいの人がわかる状況でした。

一九九六年から二十年
ついに別れをつげる二〇一七年
思わず口から飛び出る
オフコースの「さよなら」
ワンコーラスうたう

(※後ほどうたのしづくに縦書きします)

点数は3点。0点かもな〜と思っていたので、嬉しかったです。
コメントをいただいて、この別れが「離婚か?!」「仕事をやめる?!」と受け取られていたことにびっくりして、そうかーときょとんとして聞いていました。

オフコースの「さよなら」って別れの歌で、悲しいはずなのに、なぜかサビを歌い上げると気持ちよさがある不思議な歌なのだ。
雪景色のうつくしい印象のせいか、どっちから別れを言い出したのかよくわからない感じで、彼女の方が悲しいのか、自分の方が悲しいのかもはっきりしなくて、ただただ別れのうつくしい風景が切り取られている。(ディスってるのではなく、大好きな歌です)

この20年越しのお別れのお相手は、プロバイダのNifty(ここで頽れる人3名ほど)。
職業柄、パソコンの購入やインターネットの導入も早く、NiftyServeというパソコン通信をやっていたので、当初からNiftyと契約していた。
そこで、長年、ホームページの運営、途中からブログ、と長いお付き合いをさせていただいていた。
その20年間、ネットでしか出会えなかったかけがえのない友人との出会いもあり、けんかもあり、別れもあった。

内向的?な私にとって、インターネットはかけがえのない開かれた窓であり、楽しみであった。
それをずっと支えてくれたのがNiftyだった。

この気持ちに陰りが出たのは、昨年、Niftyがホームページサービスをやめてからだ。
心が折れた。
もうあなた(Nifty)でなくていいかも、と思った。

そうこう思ううちに、光回線の契約でスマホ割引のサービスがあると聞き、かなり節約になるのでそちらに乗り換えることにしたのだ。
工事をしてもらってから、家のLANを設定し終わって、ほっとしたときに、口から思わず「さよならぁ〜さよならぁ〜さよならぁ〜あ〜あ〜」と歌がでた。
わたしなりの、感謝とさよならの歌だった。

実は歌会では時間の限りもあり、詳しくは説明できなかったが、完全に退会してしまうと、このココログをリセットしないといけないのだ。一ヵ月250円の契約で、NiftyIDが継続でき、ブログとメールアドレスは使えるという。
そちらに切り替えることにした。
このブログは、2004年から細々と書き続けており、この記事のリンクもあちこちに張っているため、単純にブログの移転ではすまない状況だったからだ。

なので、このココログサービスと、旧infowebのアドレスは継続しますのでご心配なく。

歌で心配してくれた歌友さんの優しさに、思わずほろりとしましたよ。ごめんなさい。なんかでも嬉しかった!
ありがとう♡

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2016/09/18

くるり 「東京」の衝撃

9月9日(金)私が毎週楽しみにしている、生放送の歌番組「ミュージックステーション」(Mステ)に「くるり」というバンドが出演した。
くるり結成20周年記念オールタイムベストアルバム『くるりの20回転』が発売になることと、そのベストにメジャーデビュー曲の「東京」が入っていることから、この日のパフォーマンスになったのだろう。

くるりの曲は、ボーカルの岸田繁さんが書いてること、3人くらいのロックバンドなことくらいしか知らなくて、思えばまともに曲を聴く機会がなかった。
すっかり大人の顔になり、ベースの佐藤さんは白髪になり、曲を聴き始めた私は、すっかり魅了されてしまった。
ああ、なんてすごいんだ!
終盤の佐藤さんの「パーパーパッパパー」のコーラスも驚きをもって聴き入った。

その後youtubeで10年前の音源を見つけ、何度も聞いた。
ああ、でもなんかね、負けてないよ。今も。

私の脳は、しばらく、「東京」の無限ループ状態になった。それまではbump of chickenの「ひとりごと」とかバンプの曲ばかりだったのに、塗り替えられてしまった。(バカだねぇ)
何がこんなにいいのか!
感じてるものをむりやり言語化すれば、それは「叙情」だと思った。
この曲にある、胸をかきむしりたくなる叙情!

ほんとの岸田さんの書いた詩の中身が分かるかと言われると、自信がなかった。
簡単に「分かる」というのは、安易すぎると思うから。
(当然ながら、歌詞だけじゃなく、メロディーと演奏技術の合わせ技が生みだしてる)

でも、生まれた東京から、地方の大学へ進んで、東京の外から東京をみたこと。
よりどころのない土地で、一人暮らししたこと。
この時に持っていた、モヤモヤした感情は、この歌の中の本質とすごく共鳴したんだ。
そのことのほかに、自分が五行歌なり、文章なりで表現したいもの、詠いたいものも、まさしくこの「叙情」だと気づかされた。
こんなにも心を奪われ、揺り動かされるこの「東京」に秘められた「叙情」にやられたんだ。

自分もいろんなことを考えたり、思ったりするけど、そんなこと、うまく話せないし、話せる人もいない。
でも、歌や文章に書けば、誰か読んでくれる人がいるかもしれない。
そんなかすかな希望の光を持ちながら、いつも書いている。
話せないのに、書くのは平気なのは不思議でもあるけど。


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2016/07/26

【装丁】福田雅子五行歌集『馬ってね…』

今月の市井社新刊として、埼玉在住の福田雅子さんが五行歌集を発行され、装丁を担当しました。
2013年に表紙歌、

馬と私が
空気の一玉となって
ふわっと弾む
体験乗馬の
まさかの一瞬

この「空気の一玉」で体感を瞬時に人に教えてしまう、見事な表現を見せてくれた福田さん。
今回の歌集も、馬が主軸のテーマになっています。

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馬の後ろ側、なにやらもの思いしてるようなちぎり絵は、著者によるもの。
カバー裏のおしりと合わせ、これをカバーデザインに使うことに。
バックは薄オレンジという希望をいただいたのですが、茶とオレンジだけでは少し色調が単調な気がして、空と草を追加してみました。
カバーの袖を広げると、雲も馬の形になっているんです。馬は馬の夢をみるのかなぁ? と想像しながら。

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帯は不要とのリクエストで、スペースのびのびのレイアウトが可能になりました。
カバー下の表紙は、ポクポク歩いている足跡がわりの蹄鉄。
馬の蹄鉄は「幸運のお守り」とされていて、上が開いているU字型に幸運を受けとめると言われています。
お守りをアクセントにあちこちに散りばめています。

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見返し紙は、芝生の緑に合わせてみました。
扉は、特色一色。
中にも入っていますが、この馬も、著者の切り絵を使っています。
五行歌の会に入会後、次々と新鮮な表現で周りを驚かせた作者の歌集です。
一首一首が鮮やかな印象を残すことに驚かれるでしょう。
ぜひご覧くださいませ。


【書誌情報】
書 名 ◇ 『馬ってね・・・』
著 者 ◇ 福田雅子
価 格 ◇ ¥1,200+ (税)

四六判・並製・204頁
本体1,200円(税別)
発行日 2016年7月27日
ISBN ISBN978-4-88208-142-5

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2016/05/06

東北合同五行歌会in石巻(2014/04/16)

今年初めて東北合同五行歌会に参加した。

毎年雪が溶ける春に、東北の歌会の仲間が集う。
今年の会場は石巻と聞き、ぜひ参加してみたいと思った。
石巻へは、新幹線で仙台まで行、そこから早い快速でも1時間かかる。

駅に降りたつと石ノ森章太郎のキャラクターがたくさん出迎えてくれる。
道の途中に、「石巻市復興まちづくり情報交流館」なるものを見つけ、ちょっと入ってみる。
被害の状況や、復興計画などパネルや映像で展示されていた。

歌会の前の本命は、石ノ森萬画館
幸い、駅から歌会場へ向かう途中にあるのだ。寄らずしてなんとする!

こちらの館も被災したが、復興して石巻のシンボルとして輝いている。
こじんまりしているが、なんといっても原画がたっぷり見られるのがよかった。
3Fのまんが図書館は無料で入れる様子。一日中、マンガをむさぼり読みたいが、あいにくこれから歌会。
イートインコーナーで鯨のづけ丼なるものを注文する。
海をみながら食事。

それからとことこ会場まで。今年の東北合同は、全国からうたびとが集まってミニ全国大会のよう。
石巻歌会の温かな心配りで、楽しい歌会と懇親会をすごした。
特に日本酒が美味しくて、ずいぶん飲んでしまった。
おもいがけす、草壁賞をいただいたので、賞品にワカメやコンブ、のりなど美味しい本場の味を堪能させていただきました。
ありがとうございました!

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(2日目につづく)

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2016/03/11

【装丁】 『ほんとうのこと は』 永田和美五行歌集

さいたま在住の五行歌の会同人、永田和美(ながた・なごみ)さんの歌集の装丁を担当させていただいた。

ご本人の雰囲気から、装丁も曲線の柔らかいイメージかと想像していたが、打ち合わせでご希望を聞くと「直線的」な感じがよい、と仰る。
サンプルで用意していたものは、そら豆の歌からそら豆のモチーフを使っていた。
直線的な感じを取り込みつつ、歌集の香りを伝えるデザインを考えてみた。

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装丁をするときには、歌を読みながらイメージの絵や言葉を拾っている。
永田さんの歌の中に、「モザイク画」「蝋梅」「菜の花」があったことを覚えていて、キラキラする春の日差し、光線を作ってみようと思った。
色味と大きさを変化させた正方形を撒き散らし、ラインを描いた。
何気ないがゆえ、色味も変化させて試行錯誤、気にいる形になるまで模索。

タイトルの文字は、柔らかい手書き文字風のみかちゃんフォント。
永田さんの手書き文字も見せていただいたとき、永田さんが「は」を離れて下の方に書かれたので、その配置をいただく。

カバーが白地かつ、画像も淡い色彩なので、帯も淡くしたかった。白抜き文字では見にくいので、ここはちょっと奮発して特色+スミの2色刷り。
画像の目線の流れが、前は上から下、後ろは左から右なので、引用の跋文は横書きにした。


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表紙は、カバーから透けるので、カバーの文字を写してシンプルに。
正方形のモチーフをちょっとだけトッピングした。
カバーの裏側に、少し透けている。


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見返しは淡いグリーン。
すべてを淡いトーンで統一したいので、扉をグレースケールにすると寂しくなると思った。
特色一色の、ちょっと強めのイエローで、カバーのモザイクのイメージで、四角を組み立てて描いてみた。


私は、永田さんの五行歌から香るものがとても好きだ。
優しくうつむいた少女の横顔のよう。
自分の心に静かに向き合う真摯さ。
心根の清らかさ、少女性は、年齢を超える、年とか関係ないなと感じる。
心洗われる一冊です。

【書誌情報】
著者:永田和美(ながた・なごみ)
書名:『ほんとのこと は』

四六判・並製・228頁
ISBN978-4-88208-141-8
定価1,200円+税
発行日:2016年3月5日

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2015/12/12

【装丁】蛇夢五行歌集『上映禁止

シュールな歌に定評のある、蛇夢氏の第2五行歌集、その名も『上映禁止』の装丁を担当した。
推理小説のようなドキドキするカッコイイ仕上がりになった。
カバーの写真と見まごう精緻な絵は、アニメーション彩色画家、前田慎氏によるもの。

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文字の位置がかぎかっこのような配置に、というのは蛇夢さんからのリクエスト。
(ほら、あの古畑任三郎みたいな感じで)
蛇夢さんとの相談でレイアウト上、前田さんの原画を左右逆転して使っている。
今年11月21日(土)~23日(月)にプロミス渋谷サービスプラザで開催されていた「蛇夢×前田慎 戀スル五行歌展」では、反転しない原画が展示されていたのだが、お気づきになっただろうか。
ちょっと光ってしまって見づらいが、比較の参考写真。
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「蛇夢×前田慎 戀スル五行歌展」より

表紙は、おまかせします、とのことで表側は、カバーがこっくり濃厚なので、さっぱりシンプルに文字組だけにした。
裏側は、いたずら心がムクムクして、蛇夢さんのこの歌から、存在しない標識を作ってしまった。

一方通行
この先 行き止り
Uターン禁止
私の恋路は
標識三つ
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帯や見返しもないシンプルさなので、扉もちょっと「上映禁止」感を出す、ピクトグラムを作ってみた。
標識のイメージともつなげている。
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前田さんの絵は、4枚本文中にもモノクロで挿入されている。
蛇夢さんの五行歌から着想を得て、描き下ろしたもの。
カラーの美しい絵なのでモノクロが少々残念ではあるが、光のコントラストが絶妙で、モノクロにしても雰囲気が出ている。
カラーのときに受ける叙情的な印象から、ガラッと変わり、蛇夢さんの歌とからんで、ぞくっとする(褒めてる)力を感じる。
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蛇夢さんの歌は、『上映禁止』とタイトルにあるように、肚の底に眠って見せたくないようなものを、シャープな切り口で料理する。
言葉の選び方の洗練、完結な表現、切れ味抜群なのだが、どこか純愛の朴訥さもあって。
魅力ある一冊になっている。


【書誌情報】
書 名 『上映禁止』
著 者 蛇夢(ジャム)

新書判・並製・92頁
本体800円(税別)
発行日 2016年1月11日
ISBN978-4-88208-140-1

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2015/12/09

【装丁】『青い金平糖』 悠木すみれ五行歌集

埼玉在住、悠木すみれさん、第2歌集の装丁を担当しました。
カバーはシンプルに、白地に青い文字で、というリクエスト。
せっかくなので、ちょっとおもしろい紙をカバーに使ってみました。

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模様のうっすら凹凸がお分かりいただけるでしょうか。

こちらは、OKフロートという熱をかけながら空押しをすると、凹んでちょっと透明な感じになる紙です。
一番最初にこの紙を知ったのは、2009年の銀座で行った五行歌7人展『軋展』の際、ま のすけさんが限定私家版五行歌集で使っていたのを見た時でした。
その後、箔押しの技術情報や、紙の見本を集めていて、いつか使ってみたい紙として、頭に入れていた紙でした。
あれから随分経って、すみれさんが以前、「次の歌集は穴開きカバーとかやってみたい」と話していたのを聞いていて、今回の装丁で、OKフロートの型押しを使ってはどうか、と提案しました。

モチーフはもちろん金平糖。金平糖のシルエットをみながら、描いたものを型の版にしてもらいました。
表紙をブルーにして、うっすら透けるといいなという目論見でございます。
ほんのり銀のような薄いグレーのような上品な色味の反映になりました。
裏側からみると、カバーの透けた感じがわかりやすいかと。
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見返しは、水色とのコンビネーションと「すみれ」という名前から、すみれ色の紙に。
水色と紫はとても相性が良い、美しい組み合わせです。

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すみれさんの歌は、草壁先生の跋文にあるように、生命が息づいてる歌です。
豊かな感性から生まれる比喩は毎回唸らされます。

タイトルの「青い金平糖」は息子さんへの思いを歌った歌からとっていますが、この歌はちょっと切ないのです。
母の包容力と愛情あふれ、感性の光る歌郡なのに、「どうしてこれを取ったの?」と聞いたことがあります。
すみれさんは、子育てのたくさんいい思い出があるけど、一番きゅっとくるのは、「青い金平糖」なんだ、と。
生命のにおいを、ご堪能あれ。


【書誌情報】
書 名:『青い金平糖』
著 者: 悠木すみれ

四六判・並製・154頁
本体1,000円(税別)
発行日:2014年12月10日
ISBN978-4-88208-139-5


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2015/11/01

【装丁】 『踝になみだ』 秋葉澪五行歌集

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現在は鹿児島に在住されている五行歌の会同人、秋葉澪さんの2作目の五行歌集です。
今回は、装画が書家であり、五行歌人でもある石崎甘雨さんが担当。
カバーや表紙のデザインは、甘雨さんによるもの。
私も甘雨さんの作品のファンなので、どんな作品になるのか、とても楽しみでした。

以前からダイナミックな墨象かなと想像していたのですが、予想外にもモチーフのイラストとの組み合わせ。
とてもモダンな仕上がりになりました。
判型は、私の歌集と同じ幅128mm☓高さ148mmの正方形っぽくかわいい変形サイズです。

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紙の材質など、特徴を説明しながら、秋葉さん、甘雨さんとみっちり相談して決めていきました。
マットコート紙にマットPP貼りをすると、原画より色味が濃くなってしまうので、引き算調整。
実際より薄めに、でもポイントは薄めずに、と最後まで甘雨さんとやりとりしながら仕上げました。

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表紙は、目にしみるようなビビッドピンク。
墨象が微妙な白のグラデーションなので、ここはくっきりコントラストが大事ですね。
この鮮やかさの効果は、カバーと少し隙間があると、裏もほんのり反射でピンクに見えるほどのパワー。

帯は、秋葉さんの希望により、透けるタイプの紙です。帯下のイメージがほんのり透けて計算どおりいい感じに。
色はカバーとのコーディネイトからマゼンタの濃さを調整して。
背の部分はピンク文字にしないように、思い切って空間をとって、下の墨字が透ける作戦。

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表紙がインパクトあるので、扉はシンプルにモノトーンでまとめました。
見返しも、皆で話しながら、シルバーぽいグレーに。
ちらりスリップもコスモスピンクで合わせました。

目次もかわいいのです。ぷかぷか風船みたいに浮かんでます。
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澪さんの言葉は、誰とも似てない、どこにもない、個性がキラキラ。
読んでいると、ホップステップジャンプで、そうきたか~とやられてしまう。
1枚挿絵のピエロもいます。
後半は、なみだのわけがわかってきて、ついほろり・・・。

【書誌情報】
書 名 ◇ 『踝になみだ』
著 者 ◇ 秋葉 澪
価 格 ◇ ¥1,200+ (税)

四六判変形・並製・266頁
本体1,200円(税別)
発行日 2015年11月19日
ISBN ISBN978-4-88208-138-8


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2015/10/02

【装丁】 『硝子離宮』 南野薔子五行歌集

九州の歌人、南野薔子(みなみの・しょうこ)さんの五行歌集の装丁を担当した。

南野さんは、華奢な透明感のある、まさに文学少女の風情の方だ。
その優しげな外面に対して、内面は、厳しくストイックで、自己分析ができていて、狂おしく熱量もあることをこの歌集から感じ取った。
こんなにもストイックな世界、黒白モノトーン、それしかいらない。
スリップも薄い水色でも、と思う邪なきもちを抑え、グレーで徹底統一。
本人希望の、「無機質な感じにしたい」というテーマに沿って装丁のイメージを構成した。

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本書は、すっきり縦長の新書判。
帯はなし。
カバーは、モノトーンのラインだけの構成。
「窓枠のイメージを使いたい」というリクエストから、窓枠はイラストレーターで描画した。
グレーの濃淡で軽く立体感を出した。

窓枠下の柔らかなラインは、波のイメージ。
窓枠上は、「硝子」の硬質さやきらめき感を醸し出すイメージを選んだ。

カバー裏側の閉じた窓も、南野さんの希望から。こちらも描画。


表紙は、カバーの窓枠ラインを重ねあわせ、鳥かごをぶら下げる。
鳥かごは、フリー素材のシルエット。きれいなラインのものが見つかってよかった。
「空の鳥かご」も、南野さんのリクエスト。
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南野さんの歌を通して読ませていただき、浮かんできたモチーフの幾つかの中に、螺子、歯車、があった。
無機質感を出すために、歯車を配置してみた。
タイトルのローマ字フォントは、硝子のストローのような透明な表現を使った。

この硝子離宮は、水面に浮かんでいる、と想像している。
舟に乗って、そこへたどり着く。舟に乗れるものは、限られている。
あなたは、この舟に乗れるでしょうか。
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【書誌情報】
書 名 ◇ 『硝子離宮』
著 者 ◇ 南野薔子
価 格 ◇ ¥ 700+ (税)
新書判・並製・168頁
本体700円(税別)
発行日 2015年9月28日
ISBN ISBN978-4-88208-137-1

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2015/06/13

五行歌集『慈雨』の書評特集

東京も梅雨入りし、アジサイがきれいですね。
自分の歌集と格闘していた日々も、もう一年前になるのかと感慨深いものがあります。
いろんな忙しさにとりまぎれて、今更なのですが、高校の同期会で卒業以来初めて再会した恩師に拙著をお渡しすることができました。

前々から思っていて手がつけられなかった、書評特集のウェブ公開をお願いしてできることになりましたので、リンクいたします。素晴らしい五行歌人の皆様から寄せていただいた文章なので、ぜひ多くの方に読んでいただければ幸いです。
筆者の皆様と、草壁焔太先生に感謝いたします。ありがとうございました。

http://homepage3.nifty.com/shiduku/amurita_201409.pdf

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