今日マチ子『センネン画報 +10 years』発売記念原画展
「おかえり色彩」~今日マチ子『センネン画報 +10 years』発売記念原画展を荻窪の書店「Title」2階ギャラリーへ見に行った。
今日は、作者の今日マチ子さんが13:00~15:30在廊と知り、出かけたのだ。
『センネン画報』は、2004年から今日マチ子さんが「同名のブログでほぼ毎日描き続けている1ページの漫画」である。
いつからか、今日さんのブログで『センネン画報』を見るのが楽しみになった。きれいでシュールで残酷で痛くて言葉がないのに、伝わるものがあった。
インタビューの記事だったか、なぜ無料公開で漫画を見せてるのかの質問に対して、「私のような無名な新人(当時)が見てもらうためには、とにかく出していかないと」と語っていたのを鮮明に覚えている。
どんどん出して、とにかく見てもらう。話はそれからだと。
その言葉を見たことがきっかけで、自分も作品をウェブサイトでちょこちょこ出すようにした。
がっかりするほどアクセスが低くてもなんでも!
『センネン画報』が最初に本になったのは2008年。予算の関係か、前半カラー、後半はモノクロ。
『センネン画報2』が2010年出版でフルカラー版に。
このときに、出版記念でIID世田谷ものづくり学校、ワークショップがあって、私はそれに参加していた。
ブログ->『センネン画報その2』発売記念ワークショップ
あれからもう8年なのね・・・。
2階のギャラリーは狭いとのことで、整理券をもらい少々1階で待機する。
Titleという書店は初めて行ったが、店主の方の本を読んだことがある。
どんな品揃えなのか、じっくり書棚を拝見。
この分野でこの本をそろえるのか、とか、この作家はまとめておいてるな、とか書棚をどうデザインするかが書店の魅力になってるのだなと確認。
そのうち呼ばれて、狭い階段を上がる。
原画は思ったより点数が少なかったけれど、過去の本やグッズなども並んで、何より、今日は、今日マチ子さんが在廊していたのである!!!!
サイン待ちの人がいらしたので、まずは原画を拝見。写真もOKということで、数枚撮らせていただく。
『センネン画報』は漫画なのだが、セリフがない。絵の力だけで起承転結になっている。
コピックという透明感の出るマーカーが使われている。ブルーが印象的。
隅に色校正用紙も置いてあって、思わず見入る。
手があいたようなので、今日さんの前に立って、サインをお願いする。
「お名前は?」と聞かれて、名刺を差し出した。
すると、隣の太田出版の方が(たぶん野口さん?)、お名前みたことある、と言ってくれて驚く。
実は、『センネン画報2』のワークショップに参加したことがあります、と話すと今日さんがちょっと喜んでくれたようす。調子に乗った私は、「よかったら私の歌集なんですけど、読んでいただけますか?」と差し出した。
すると、「・・・好きなので」と受け取ってくださった!!
これは井戸喜美代さんの影響。瀬戸内寂聴さんの庵を尋ねたときに、歌集を渡したとのエピソードが私の頭をかすめたのだ。大好きな人に、読んでもらえたら、こんなに嬉しいことがあるだろうか!
サインもうれしく、おまけのシールやはがきも入っていて、何より胸が打たれたのは、「この10年の作品リスト」という手描きコピーだった。
『センネン画報』は最初はひねくれた感じだったのものを「叙情」テーマにしぼったこと、2010年から2014年は入院以外休めなかったこと、今は仕事の予定をいれず充電期間らしいこと。
これを読んでいるうちに、なんだかむしょうに泣きたくてしかたがなかった。
この激しい年表に翻弄されて、消費された魂が、また再生しようともがく魂が苦しくて悲しくてしかたがなかった。
無言の絵は叫びつづける。
10年たって、フルカラーの『センネン画報』に会えたことが嬉しい。
ご本人におめでとうございます、と伝えた。
握手もしていただいた。
サインみせびらかし。
帰り道、にやにやが止まらず、ドトールで本を読み、年表を読みながら心で大泣きして、大感激なひとときであった。今日マチ子様、スタッフの皆さま、ありがとうございました!
原画展は、明日3日までです。
塗り絵企画は、延長して6月30日までだそうです。
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