【ART】YOSHITOMO NARA DRAWINGS:1988-2018 LAST 30 YEARS
元麻布クレストビル地下1階のKaikai Kiki Galleryにて開催中の「YOSHITOMO NARA DRAWINGS:1988-2018 LAST 30 YEARS」を見に行った。ここのギャラリーは初めて来たが、展示室は2部屋。ひとつは靴を脱いで上がる。(くつ下穴注意!笑)
写真OKというのでたくさん写真を撮ってきた。制作年のプレートとともに、制作順に奈良美智のドローイング作品が一望できる。
息するように描いていた
と展示会パンフにあるように、段ボールや封筒の裏など、身近にある紙を文字通り手あたり次第手にとっては、描き散らかしたような自由さに満ちている。
のちにいくつか、美術館でみかけたモチーフの断片もある。
奈良さんは1959年生まれなので、29歳から58歳までの作品ということになる。
2000年ドイツから日本へ帰国前後。おなじみの少女の作品が増えてくる。
2011年震災以降。
私が初めて奈良さんの大規模な個展を見に行ったのは、2012年夏に横浜美術館で開催された「君や僕にちょっと似ている」だった。この個展をきっかけに、以前と奈良さんの作品の見方が変わった。
作品から祈りを感じた。
少女のモチーフは、奈良さんの感情の入れ物だ。感情に一番ふさわしい形をとったのだ、と初めてわかった。
(うーんと。「感情」という言葉だとちょっと違うかも。伝えたいものとか、湧き上がるものとか、そういうもの。)
制作年のプレートを見ながら、自分は何歳だったか、とか何をしていたか、と思い出す。
たぶん同じニュースを聞き、同じ事件を見て、同じような経験もしている。
完全に違う時代を生きて、もうとっくに死んでしまった作家ではない。
私と、同じ時代に生きる現代作家ならではの共鳴が起こる。
額装されない小さな作品は、テーブルの上にびっしり敷き詰められている。
奈良さんからのメッセージの最後は、次の言葉だった。
「冷凍保存された俺の気持ちたち、久しぶりだな! でも解凍はしない! お前たちの仲間を増やしていくだけだ」
解凍しない、という意志。そこにそのときに刻み付けたものだからだろうな。
過去をまるごと受け止める。そして自分は次の新しい一歩をすすむのかな。
私も、解凍しないいまを、凍りつけたもの、もっと無心に書いていいんだなって思えたんだ。
3月8日(木)まで
11:00-19:00 (日・月・祝休み)
入場無料
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