【装丁】松山佐代子五行歌集 『そ・ら』
五行歌の会同人の松山佐代子さんの歌集の装丁を担当させていただいた。
打ち合わせの際、松山さんご自身が描かれたイラストをたくさんお持ちくださった。
パステル調のやさしい色彩のポストカードが目をひいた。
タイトルとの兼ね合いから、青空のイラストをカバーにすることにした。
ぽわぽわと丸い雲が浮いているのが、メロディーのようで、このメロディーに沿うように、黄色い雲にのせて『そ・ら』とつづった。(ソとラなら、ラがちょっと高いよね。)
紙の風合いを生かしたニス引き仕上げ。
この絵をみていると、ユーミンの「悲しいほどお天気」を思い出す。
イラストのやさしい印象を壊したくなくて、帯も補色でなく同系色のブルーに。空をイメージした明るめのブルーの特色を選ぶ。
扉もイラストをつかってカラーに。見返しは扉を引き立てる淡いクリーム色。
絵の雰囲気を強い色で壊さないように、光の黄色が反対側まで届くイメージにした。
松山さんの絵手紙や貼りえ、イラスト数枚を、巻頭カラー口絵になった。
女が一人で生きていく現実の厳しさ。くじけそうになりながらも、何度も心を立て直す。
胸底にはいつも美しいイメージが流れている。憧れの翼をもっている。
大丈夫。まだ笑える。
その姿がまばゆくて胸打たれる一冊だ。
【書誌情報】
書 名◇『そ・ら』
著 者◇松山佐代子(まつやま・さよこ)
四六判変型・並製・314頁
定価1,400円+税
発行日:2017年12月7日
ISBN978-4-88208-152-4
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