【電子書籍】『五行歌 誰の心にも名作がある』Kindleストアにて発売ができるまで
一年の最後にようやく、念願のキンドル本製作&販売がかないました!
編集部で相談の上、最初の一冊は、草壁焔太先生の『五行歌 誰の心にも名作がある』にしました。
わずか四歳のときに、啄木の歌と出合いうたびとになる決意をしたエピソード、五行歌の創始の経緯、古代歌謡からの発見、ものを思い、詩歌を書くことでそれぞれの個性が輝くこと。
五行歌のすべてがここにわかりやすく解説されています。
一人でも多くの方に読んでいただきたい一冊を、電子書籍化しました。
電子書籍化への編集では、「リフロー型」、ページの概念がなく、長い巻物のような展開になります。
小さな端末で見ることを想定して、段組みは、すべてひらき、ルビをつかっておさまりよく再構成しています。
また、古代歌謡については、文献を見直して一部修正、巻末に参考文献も追加しています。
キンドル本は、対応するアプリをダウンロードすると、パソコン、タブレット、スマートフォンでも読むことができます。サンプルもダウンロードできますので、ぜひ体験してみてください。
とここまではちょっと宣伝。
実際に苦労したポイントをいくつか以下まとめてみたい。
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1)どのやり方、ツールで電子書籍化したらいいのかわからない。
電子書籍をつくるためのツール、無料のものも一杯あるのだが、今回の書籍がまず「縦書き」が条件だったので、縦書きに対応できるもの、とした。
PDFファイルからepub3へ変換できるツールを試したが、結果使える形にならず、挫折。
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Sigilというツールが、epubファイルを直接編集できて、オールインワンツールで使いやすかったのだが、編集が横向きになってしまい、「縦書き」未対応で挫折。これが縦書き対応ならベストだと思った。
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青空文庫のツールを使って作る方法は、縦書きに関してはOKだった。
ツールがいくつか必要で、やりにくい。(不採用)
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その他、Carib,Renee PDF Aide,t2epubなどかたっぱしからトライするも、納得できるものなし。
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IndesignからePUB3 なんとなくいけそうだが、会社にIndesign導入してないので没。
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でんでんコンバーターは縦書きOK.(採用)
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テキスト変換で、Perlスクリプトを書く挑戦。(パターンが多すぎ挫折)
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電子書籍の作り方の、キンドル本もいくつか買ってみたが、意外に中途半端だし、すぐ情報が変わる。
今回は、kindle本製作販売実績のあるとれぶ出版の渡辺氏にお願いし、製作を支えていただいて、やっと販売までたどり着けたという経緯である。やっぱり一人で片手間にやってできることではなかった。
2)テキスト化に一苦労
ふだん本を作るのに使っている編集ソフトから、ベースとなるテキストファイルを抽出したのだが、これが曲者だった。ルビがぬける、ルビを打った漢字が欠落する、段組みの文字が欠落、縦中横にした文字が欠落。
また、Unicodeでないと表示できない文字も欠落。Unicode UTC-8を調べ、補完する作業が必要。
段組みをひらく、ルビ打ち、ルビの元の漢字を補てん、縦中横補てん、及び校正作業。
3)動作確認の不可解な現象
実機テストは、KindleforPC(KPC)、KindlePaperwhite(以下PW)、iPhoneKindleアプリ、iPadKidleアプリで行った。
mobiファイルを転送するのだが、iPhoneでは横書きになる>その後AZKファイルを転送することを知るが、それでもときおり横書きに変わる?! kindleで表紙画像がでない、脚注リンクの不安定、目次が全部でないなど。
4)圏点、丸数字、章扉センタリングなどの対応に、CSS設定追加
底本になるべく準じるように、HTML記述だけでなく、CSS作成をお願いした。
5)全編にわたり、何度となく校正、実機テストの繰り返し。
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当初想定できない、ハードルが次から次へとでてきて、苦しい戦いでした。
渡辺氏には、心より感謝いたします。
作ってみたものの、そうそう売れるもんでもないんだな、というのも痛感しております。
それでも、紙よりも電子の方が残しやすいし、将来的にも利用価値があると信じ、これからもとりくんで行きたいと思っております。
ぜひぜひよろしくお願いいたします!
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