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2015/12/09

【装丁】『青い金平糖』 悠木すみれ五行歌集

埼玉在住、悠木すみれさん、第2歌集の装丁を担当しました。
カバーはシンプルに、白地に青い文字で、というリクエスト。
せっかくなので、ちょっとおもしろい紙をカバーに使ってみました。

Simg_3461_2

模様のうっすら凹凸がお分かりいただけるでしょうか。

こちらは、OKフロートという熱をかけながら空押しをすると、凹んでちょっと透明な感じになる紙です。
一番最初にこの紙を知ったのは、2009年の銀座で行った五行歌7人展『軋展』の際、ま のすけさんが限定私家版五行歌集で使っていたのを見た時でした。
その後、箔押しの技術情報や、紙の見本を集めていて、いつか使ってみたい紙として、頭に入れていた紙でした。
あれから随分経って、すみれさんが以前、「次の歌集は穴開きカバーとかやってみたい」と話していたのを聞いていて、今回の装丁で、OKフロートの型押しを使ってはどうか、と提案しました。

モチーフはもちろん金平糖。金平糖のシルエットをみながら、描いたものを型の版にしてもらいました。
表紙をブルーにして、うっすら透けるといいなという目論見でございます。
ほんのり銀のような薄いグレーのような上品な色味の反映になりました。
裏側からみると、カバーの透けた感じがわかりやすいかと。
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見返しは、水色とのコンビネーションと「すみれ」という名前から、すみれ色の紙に。
水色と紫はとても相性が良い、美しい組み合わせです。

Simg_3464_2

すみれさんの歌は、草壁先生の跋文にあるように、生命が息づいてる歌です。
豊かな感性から生まれる比喩は毎回唸らされます。

タイトルの「青い金平糖」は息子さんへの思いを歌った歌からとっていますが、この歌はちょっと切ないのです。
母の包容力と愛情あふれ、感性の光る歌郡なのに、「どうしてこれを取ったの?」と聞いたことがあります。
すみれさんは、子育てのたくさんいい思い出があるけど、一番きゅっとくるのは、「青い金平糖」なんだ、と。
生命のにおいを、ご堪能あれ。


【書誌情報】
書 名:『青い金平糖』
著 者: 悠木すみれ

四六判・並製・154頁
本体1,000円(税別)
発行日:2014年12月10日
ISBN978-4-88208-139-5


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