【装丁】『ありがとね、ありがとね、ありがとね』 ひまわり五行歌集
大阪在住の五行歌の会同人、ひまわりさんの五行歌集の装丁を担当しました。
長い長いタイトルです。
でもこれはこのフレーズでないといけないのでした。
(その秘密は著者のあとがきをお読みくださいませね。)
版面にどう配置するか悩みどころでしたが、フォントを手描き風にしてきっちりならべないように配置してみました。
また、カバー画は漫画家を目指している次男の喜多正直さんに書いてもらうことが決まっていました。
家族写真を緻密なタッチで描いた白地が多い絵でした。
さて、これをどう見せるか。
まず、絵がくっきり見えるように、テーブル(机)の上に置いてみんなで眺めているようなデザインにしています。
ひまわりさんは、学習塾の先生をしているので、「机」は先生のイメージも重ねています。
中心の絵以外は、何か色をつけようと思い、「ひまわり」という筆名と、「花束をあげたい」という歌からのイメージで、ひまわりの花畑のように埋め尽くしました。後ろはちょっと大きめになってます。
手描き文字のようなフォントは、「みかちゃんフォント」。最初は別の手描き風フォントで提案したのですが、ひまわりさんたち、大阪歌会の中ではこどもの歌の展示などにこのような文字をつかっていると聞き、そちらを採用しました。
ひまわりの黄色との連想で、帯は元気な緑、葉っぱ色をセレクト。
袖にちょっと飾り入り。
私が「帯は緑にしようと思っています」とひまわりさんに伝えると、「私も緑がいいと思ってました!」とお返事があり、うまく一致してよかったです。
表紙は、カバーの机との相性と、可愛がっている(いた)ワンちゃんをいれたので茶系特色一色刷りに。
この2匹は同時に遊ぶ時間はなかったのですが、絵の中では家族として一緒にいるそうです。
こちらは、カバー下になるので、映りこまないよう、ふわっと淡い網トーンで印刷してもらいました。
「五行歌集」と「市井社」にフリガナを入れたのは、学習塾の児童・生徒さんにも読みやすいように。もしかしたら読んでくれるかもしれませんからね。
見返しは、ベースのクリーム色とトーンを合わせて、淡いメロン色です。
花切れ、しおり共グリーンで統一しています。
息子さんの反抗期と闘ったインパクトある章からはじまるこの歌集は、やがて成長して巣立ってゆく後姿や、学習塾で教えているしょうがいのある子どもたちの姿との温かい日々を描きだしていきます。
いろんなことを乗り越えてきたからこそ、今の「ありがとね」があるのだな、と思いました。
【書誌情報】
書 名 『ありがとね、ありがとね、ありがとね』
著 者 ひまわり
ISBN978-4-88208-135-7
四六判・上製・292頁
発行日・2015年5月2日
定 価・本体¥1,200円+税
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