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2013/12/31

【装丁】 『2013・♂・66』甲斐原梢五行歌集

九州五行歌会の代表をされている、甲斐原さんの歌集を装丁させていただきました。
S201366

カバーの画像は、フラクタルCGを浅川様のサイトから。
甲斐原さんが、理系のドクターであること、まえがきの中に、世の中の事象はフラクタル図形とみなせる、というくだりがあること、などから、フラクタルCG画像をあれこれ探していて、イメージに合うものをお借りしました。
のびのびと伸びたラインが触手のようで、どこかニューロンのイメージがあるなと思って気に入りました。
すばらしい素材を提供してくださっている浅川様に感謝です。

この画像をベースに、装丁全体を組み立てました。
最初の章の五行歌は、光と闇から始まります。
そこで黒ベースにしてより画像が引き立つようにデザインしました。
光と影なので、仕上げはPP貼りの光沢で。

この歌集のタイトルは、「2013ねん・おとこ・66さい」と読みます。
ルビとしたら平仮名で入れるのが一般的ですが、著者の希望で漢字ルビ?となっております。
あまり目立たせたくないため、半分紫のグラデーションを入れています。

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帯は、草壁主宰の跋文の引用から。特色は、赤みがかった紫に。これは次の表紙との調和も考えています。

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表紙は、レザック66、カーフ(仔牛の皮)風のテクスチャーのエンボスペーパーを選びました。
イメージとしては百科事典。甲斐原さんのアカデミックなイメージを象徴させています。
おりしも、66つながりとなったのもおもしろい符合。
紙に表情があるので、洋書のようなローマ字表記にしてみました。
著者名をKAIBARA Kozue、としたのは、著者は男性なのでKozueを先にしない方がいいかなという思いと、この姓だとはっきりわからせるために、大文字表記にしています。

Srimg5645
表側がこっくり濃厚なので、見返しは、淡いフェザーワルツ。
化粧扉も、モノトーンで落ち着かせて、これから始まる歌の世界への導入としました。

Srimg5646
各章扉はこんな感じ。グレーのトーンがはいっていますね。これは著者の要望かな。
本文組は、水源純さん。2首横並びの構成。歌の長さによって行間も調整した苦心作とのこと。
横並びだと目線が上下にいかなくて、読みやすい気がします。

花ギレとしおりは、黒かなと思ってじっくりみると濃紺。表紙ともカバーとも調和しています。

全体的にダンディな仕上がり。そう、甲斐原さんはとってもダンディなのです。

作品は、よく観察してよく熟考された骨太のうた。
ご両親やとくにお母様の歌は、しんしんと思慕が響きます。
おおげさでない、心の奥から伝わる、子どもたちへの愛情表現も感じます。
ときどき野良猫に説教されたりも。
じっくり味わっていただきたい歌集です。
※年明け以降に流通予定です。

【書誌データ】
著者:甲斐原梢(かいばらこずえ)
書名:2013・♂・66(2013年・男・66歳)

四六判・上製・200ページ
1,200円(税別)
ISBN978-4-88208-126-5
発行日:2013年12月25日


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2013/12/04

第23回五行歌全国大会in松山

気がつけば12月。息も絶え絶えに11月を乗り切りました。小休止の今日、やっと全国を振り返ります。
私にとっては初めての四国。飛行機から見えるたくさんの小さな島が可愛くて。帰ってから作った歌。

Shimagaaisatu

羽田から飛行機だったが、向うについて着替えるのも時間がかかりそうなので、キモノを家から着て行った。
どうなのかなと思っていたが、機内でも肌触りのいい生地にくるまれているのは予想外に快適でびっくり。
帯もくたくたの昼夜帯をひきぬきで、らくちんだった。

迎えてくださった松山、愛媛の歌会のみなさまの、素晴らしいおもてなしに感激した大会でした。

さて、今回の私のお歌ですが、こんなん。

Kamenoonara

ちょっと解説をしますと、カメはうちのペット。13年飼っていますが、ある日水にいれていたときに、「ぶぅ!」(ぽこぽこ)っておならをしたんです。あくびは何回もありますが、おならは初めて!
そしてあなたは、夫。会社で人事異動があり、なかなかハードな立ち位置に変わってしまって元気がなくなっていたころのことでした。
何人の方に温かいコメントをいただき、うれしかったです。
全国大会は文字通り、全国の五行歌のたくさんの仲間と交流できる貴重なチャンス。準備も大変ですが、たくさんの笑顔にも出会えるからまたがんばろうって思います。

二日目は、五行歌研究会として四名の方の講演を拝聴しました。
みなさん素晴らしい方たちで、とくに寿柳さんのお話には感銘を受けました。寿柳さんは失語症になって、言葉がでてこない苦しみ、ひとつひとつ取り戻していく葛藤、人は表現したい生きもの、と体験を率直に語ってくださいました。終わった後、寿柳さんに「素晴らしかったです」といいながら何を言ったらいいのか、ぼろぼろ泣けて泣けてしかたがありませんでした。(レジュメは、月刊『五行歌』12月号に掲載されています。)

帰りの飛行機までのわずかな時間、すみれさんと二人で松山城の天守閣まで上りました。途中何人も歌友と会い、そのたびぱちりと記念写真なども撮れました。

Srimg3281

Matuyamajyo

もっと寄りたかったところがたくさんあって、またゆっくり旅したい町でした。お世話になりました。ありがとうございました( ´ ▽ ` )ノシ

おまけ画像。坊っちゃん団子、伊予柑ソフト、ジャコ天付きおうどん。
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