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2012/07/29

スーパー歌舞伎 「ヤマトタケル」観劇

母からのたっての希望で、四代目猿之助襲名披露のこの演目、大人気で予約に苦労したが、なんとかチケットゲット。新橋演舞場で見るのは初めて。

今は改築中の築地の歌舞伎座は、昔はちょっとしたつてがあって、年に何回か母と行っていた。その頃はわたしはまだ小学生か中学生くらいのとき、一度三代目猿之助を見ている。(たぶん十八番の義経千本桜)
この人の歌舞伎は、衣装の早変わりや舞台を所せましと走り回って子ども心にもおもしろいなと思った。

今回の六月、七月公演は、猿之助改め二代目市川猿翁、亀治郎改め四代目市川猿之助、そして香川照之(三代目猿之助息子)が九代目中車(ちゅうしゃ)、中車の息子が五代目市川團子(だんこ)初舞台と澤瀉屋(おもだかや)四人同時襲名公演となった。

ひさしぶりの歌舞伎に母とわくわく。
劇中口上として、舞台に猿之助と中車があがり、舞台は一期一会、役者とお客で作るもの、といった話があった。
私たちは2階席だったが、上下の段差が意外と高さがあるので、とても見やすく感じた。

最初の緞帳が上がった後、薄手の祝い幕なるものが降りてきて、福山雅治がデザイン監修して寄贈したという澤瀉屋の代々のくまどりを重ね合わせたものがお披露目された。龍馬伝で香川照之と共演した友情からだろうか。俳優から歌舞伎役者への転身という困難な道を選んだ彼へのすてきな贈り物♪ 舞台は撮影できないけど、幕だからみんな撮影していてわたしもパチリ。
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それにしても歌舞伎の舞台というのは、凝っている。せり上がりがいくつもあって、回転台になっていて、舞台展開のテンポが早い。ここ数年着物が好きなわたしには、衣装もオペラグラスでとっくり拝見。

歌舞伎と言えば、大向こうからかかる掛け声だが、今回は、「オモダカヤー!」でも、一人くらいしかいなかったみたいで、ちょっと淋しかった。以前は3人以上いた気がするのだが・・・。今回はチケットが手に入りにくかったのか、あるいは高齢化で少なくなっているのか?

スーパー歌舞伎は、セリフもほとんど現代語でわかりやすい。ちょっと説明口調といえるくらい。歌舞伎の名調子を望む人には、ちょっと不服かもしれないなとも思った。
あと興味深いのは、やはり役者の体の使い方。
女形の立ってる、座ってるだけでうつくしいこと! 

衣装の早変わり、一人二役の入れ替わり、立ち回りの、バタッバタッとツケ(拍子木のようなものを板の台に打ちつけている)が鳴って、とまって見得を切る、足の置き方、首や目の細かい動き!
シャッター押したーい!!! と悔しくなる。
型、とよく言われるが、様式美なのだ。
掛け声もかけたくなるが、女性の大向こうは聞いたことがない。間の取り方や声のかけ方には知識と技術も必要。なので、決まった! というときは、細かい拍手で応援する。

クライマックスは、宙乗り。うつくしい白い羽の衣装に身を包んだ猿之助のヤマトタケルの魂が、空を飛ぶ。
ちょうど二階の花道のラインのところの席だったのが幸い、目の前に猿之助が来てくれた!
大興奮でしたー!
休憩二回あるとはいうものの、5時間ほどの長丁場。猿之助でずっぱりの大活躍。
カーテンコールはなかった。
潔し。
チケットは高かったけど、それなりの夢の時間を過ごさせてもらった。
母も喜んでくれたので、満足でした。

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コメント

◇kikkoro様
猿之助を襲名しましたからね! 軽やかに動き回ります! けっこう男性としては小柄でした。
中車は、帝のいい役でした。豪華な衣装で、でもあんまり動かなかったかな。まだ歌舞伎独特の動きまではなかなかねぇ。でも俳優のキャリアで、堂々としていました。これから厳しいのは承知の上なのでしょう。何処まで頑張るか、注目です!

投稿: しづく | 2012/08/04 22:33

お母様孝行のよい1日でしたね。

女形もできる四代目。
亀さまの、さぞ華やかで動きのある舞台だったのではないですか?
8月は国立劇場で、澤瀉十種の桧垣と連獅子。
う~ん、見に行きたい!

中車丈はどうでした?
俳優からどんなふうに転身したのか、
一度見たいと思いつつ、なかなか・・・。

投稿: kikkoro | 2012/08/04 18:13

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