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2012/06/20

【読書ノート】三浦しをん 『舟を編む』 (ネタばれ注意!)

体育会系三浦しをん真骨頂!
世の中には言葉の意味をずーっと考えることだけに没頭して生きてる人がいた!

舞台は玄武書房という出版社の辞書編集部。

【辞書】 言葉という大海原を航海するための舟。
【辞書編集者】言葉の海を照らす灯台の明かり。 
(『舟を編む』帯文より引用)

パズル的センスの整理術を見込まれ、営業から辞書編集室へ移動になった主人公M(仮名みつや:苗字がストーリーのおもしろさと関連してるので伏せます)が、次第に頭角を現し、一流の辞書編集者へ成長していくお話。その流れの中で、辞書はどうやって作られているのかを垣間見ることができるのが、この小説の二度おいしいところ。
 その部分は綿密に取材した実際の行程と思われる。

辞書編集者の苦しくも哀しくおもしろい習性があれこれ紹介され、周囲の人を巻き込んで、熱を伝えて行く。
一番よかったのは、斜に構えていたちゃら男の西岡が、長く地道な編纂作業を、根気よく執念深く、覚悟をもって燃える火の玉のような情熱で取り組む仲間の姿を見たことで変わってゆく様子だ。
いけすかない中世文学専門の大学教授へ切った啖呵はすかっとしたねぇ~。
そして、彼は人生の方向転換を決意する。

「俺は名よりも実をとろう、と」

「実をとる」外側のかっこよさでなく、真実を求めること。

それは地味で報われなくて、疲れて、苦しい道なのかもしれない。でもだからこそ、そこで何かをつかもうとするんじゃないかな。
自分のできること、得意なこと、人に喜んでもらえるようなことをしようとするんじゃないかな。

言葉を、正確に別の平易な表現に置き換えるみつやは、「心をも率直に表明する以外の方法を知らない」。
お世辞も言えないみつやに言われた一言に、西岡は背中を押される。
128P-134Pの西行にまつわる二人の会話の件は、ほんとにすばらしい。
このあたりからティッシュと涙をぬぐうハンドタオルが手放せなくなった。

今、手元の『広辞林』を手に取る。三省堂編修所編、とある。
執筆者名はない。
今まで当たり前に見ていた、言葉の項目の一つ一つが、やけに愛しく思えてくる。紙の感触も確かめる。

製紙会社での、特注本文紙のプレゼンシーンも印象深い。顧客の要求にこたえられるか、やれることは全部やって、自信はあるのだが、顧客にYESをもらわないと仕事にならない、という緊張感。ものつくりの苦しさと喜びがストレートに伝わってきて、「うんうん、そうだね」と共感する。まさしくわたしもおんなじようなことをやっている。

月刊誌の発行や、書籍の編集を見てるから、辞書がいかに特殊かわたしにはよくわかった。作り手側の苦労も共感することが多かった。
 一方全体が軽い調子で書かれているので、読みやすい半面、ちょっと軽くなっちゃった気がしたけど、それもしをんさんらしさかもしれない。シリアスすぎると照れちゃうみたいな。

いつか、お蕎麦屋さんでTVを見ながら、さっと取り出した用例採集カードを記入している人を見かけないだろうか。


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2012/06/18

てぬぐい展のご紹介

歌友のかおるさんと一緒にいるとなぜか、「お姉さんですか?」と聞かれるくらい雰囲気が似てるらしい。
最近はガラス絵作家さんとして躍進中ですが、今回はてぬぐい展に参加されるそうです。たしか去年もやってたかな? 15作家さんがデザインした日本手ぬぐいが並ぶそうです。個性的なてぬぐいをお探しの方はのぞいてみては?

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2012年6月30日(土)~7月7日(土) 恵比寿 ギャラリーいさら

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2012/06/15

【装丁】恋の五行歌 300のトクントクン

第五回「恋の五行歌」公募入賞・入選作品集がようやくできあがりました。
当初4月発行予定が2ヶ月遅れて、もうしわけございません。
入選の皆様(掲載者)には、6月下旬までにはお送りする予定です。
今回、新書判サイズのスリムでかわいい本になっております。ぜひ鞄に一冊どうぞ♪

この作品集の制作にあたり、コンセプトは、「かわいくしようか」と草壁先生がおっしゃったので、可愛いイラストを使ったらいいかなと思い、最近イラスト業を復活させたらしき、五行歌の会の同人であり、わたしの大好きなうたびとであり、友だちでもある、金沢詩乃さんにイラストをお願いした。
歌のゲラをまだ編集前だったのだが、読んでもらって、カバー絵と、中に入れるカット十点ほどと頼むと、忙しい本業を縫って、サンプル画像を送ってくれた。

鳥の番いで、ラブラブってほどじゃなく、何か片思いなのか、行き違ってるのかなかなか奥深いニュアンス。
サブタイトルは、入選作の歌の中から、いただいた。
前回が「わくわく350」だったので、似たような感じかつ、今年のものと区別がつくようにサブタイトルを入れるようにしている。

今回はイラストの詩乃さんがイメージを作ってくれたので、羽毛ブラシなど使わせてもらって色合わせや配置を考えた。可愛くを目指し過ぎて、ついついカラフルに盛りすぎになりがちだったのを、版面の小ささも考えつつ、色数を抑え、シンプルな仕上がりを目指した。
Web
詩乃さんいわく、桜餅配色。うふふ。

今回の帯は、必要情報を盛り込みながら、かわいく、上にみえるカバーと調和するよう何回か試行錯誤した。
白ハートに文字入れは詩乃さんのアイディア。わたしは小さい白ハートを入れてたのだが、そこに文字を入れる発想はなかった。結果を見ると自然だけど、作ってるとそこになかなかたどりつかない。

「トクントクン」の由来となった歌を、クローズアップ裁ち落としのかんじで配してみた。この歌は五行目が長いのでどちらにしても全部入らない。中途半端に納めると、そこで完結した歌、と誤解されるのを避ける意味もあり、上もわざと切り落としている。失敗じゃないですよー。わざとです。キリッ。
上に見えるカバーのタイトル文字がインパクトがあるので、帯に強い文字をもってくるとバランスがとれなくて、いくつかいろんなフォントを試した結果、やんわりふわふわ文字にした。
フォントはそのままでなく、文字によって微妙に大きさを変えたり、字間調整をしている。このあたりは詩乃さんにチェックしてもらって、アドバイスしてもらった。
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こちらは、カバーを取ったところの表紙。可愛いイラストがあると装丁も楽なのだ~♪
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本文は、最初に入賞作品があり、その後は4首組で、ときどきイラストが入っています。詩乃さんにゲラを読んでもらって、イラストが描きやすい、「ピンときた歌があったらそれを描いてね」と頼んだので、ご自分の歌にイラストがついていたら、喜んでください。(^^)
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袖周り(折り返し部分)にもほわほわ音符がつながっております。
詩乃さんのサポートのおかげで、かわいくできました。大感謝です。
ありがとう。
そして、イラストレーター金沢詩乃、復活、おめでとう。

金沢詩乃さんのイラストブログは、こちら「箱裏DAYS」ですよ。

【書籍データ】
『恋の五行歌 300のトクントクン』 草壁熖太編
市井社 新書判 136頁 並製 840円(税込)
ISBN 978-4-88208-117-3 C0292

※Amazonにも入りました↓(追記:2012/06/27)

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UNIVERSAL STUDIOS JAPAN !

6/9(土)10(日)に、夫と大阪のUSJに行ってきました。
連休はや夏休みだと混むので、梅雨のイメージのある6月にということで。(うちはけっこう6月旅行が多いです・・・)

新幹線で新大阪より、大阪へでて、西九条でもう一度乗り換えて、ユニバーサルシティ駅。
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西九条の乗り換えは、ホームの反対側で便利でした。大阪の女性車両は、時刻に関係なく一日中女性車両なんですね。東京だとラッシュ時だけだったような。なんで視線が突き刺さるのかわからんかった。(^^;;

パークのチケットは、1.5ディスタジオパスというのを買ったので、一日目は15:00-入場。
じゃーん! ゲートそばには、映画音楽ががんがんかかっていて盛り上がります。
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ゲートでセサミストリートのキャラクターがごあいさつ。ほんとはエルモと撮りたかったのだけど、混んでてせかされ、アー二―と。でもアー二―も好きよ。
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今回一泊だけだったので、時間節約のため、エクスプレスパスなるものを購入。
別料金を払うと、優先乗船できるんです。これが意外と高いのですが、結果的にこれを使って正解。二日くらい有効だともっとうれしいのにな。
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エクスプレスパスが使えるものは、ほとんど待ち時間が10分~15分なので使えるものからどんどん乗って行きましたよ。
最初は「バックドラフト」映画は見てないのですが、消防士をテーマにした作品らしく、むちゃくちゃ火が燃えて水がばしゃーん!とかかってびっくりしました。心臓の弱い人は危険な感じ。

「ジュラシックパーク」は、ディズニーランドのジャングルクルーズに似てる。最後は絶叫&びしょぬれ。
「ターミネーター」はシアター・ショー。役者がでてきて1シーンを生で見せてくれる。
「スパイダーマン」は、4D映画。一緒にニューヨークをとびまわっておっこってギャー!

「ウオーターワールド」は水族館のイルカショーみたいな会場に、水色の席は濡れてもいいひとだけ座ってくださいと言われ、保安官との掛け合いが楽しい。
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ショーの最中に濡れるのかと思いきや、こちらのお兄さん3人がバケツで水をかけるので濡れるのです。前列、合羽着てても無駄です。ショーは、お芝居になっていて、アクションが大迫力のおもしろさでした!

「バックトゥザフューチャー」博士のタイムマシンに乗りこんで、がたがたびゅーんと!
最後は「セサミストリート」も4D。立体映像+椅子が動いたり、水がかかったり!
マジカルスターライトパレードを見ながら、へろへろになって一日目終了。


二日目は、朝から「ジョーズ」へ。これは昨日お休みだったアトラクション。
ボートに乗って冒険。ここでも火と水。
空いてそうだったので、二度目の「ジュラシックパーク」。
あとは写真を撮ったり、大道芸をみたり、「シュレック」と「モンスターライブロクンロールショウ」を見て、時間切れ。

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これこれ! 「アメリカン・グラフィティ」の!!

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どじでてきとうなピザ屋さん、ひっくり返すと驚きの才能。

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大人気のエルモと、やっと撮れた一枚! バイバーイ!

ディスニーランドよりも、全体的に大人向け。本物の炎や水を使って迫力ある演出が満載でした。
おもしろかった!!
一泊だと、USJのみでていっぱいです。3-4日くらいあれば、海遊館も行きたかったのですが、それはまたの機会に。



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