鼓の呼吸
20日はワセオケ第193回定期演奏会、今回の会場は六本木のサントリー大ホール!
2月から3月のヨーロッパツアー総決算と、卒業する4年生最後の舞台ということもあり、ホールも一流♪
開場時刻になると、正面扉の上部の板が開いて、オルゴールが流れるのね~♪
ぼーと見ていたら、閉じてしまって、あれ、あのときだけだったんだ! と写真取りそこねてちょっと残念。
パンフレットには、曲目変更とあり、
R.シュトラウス アルプス交響曲 作品64
R.シュトラウス 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」作品28
1曲めも別のシュトラウスの予定だったが、代わりに三曲目として、由谷一幾「和太鼓と管弦楽のための協奏曲」となっていた。
これは、ベルリン公演で好評だったため、その成果を披露するという意味で変更になったもの。
アルプスもいたずらもすばらしいのだが、けっこう何回か聞いていたので、新鮮味という意味では最後の和太鼓がすばらしかった。
今回座席がバックヤードのA席で、見下ろすとオケの後ろ。指揮者の表情はよくみえる。いつも奥まっているパーカッションが目の前。大太鼓もすぐそこにあった。
指揮者の横に、2人の奏者がいて、それぞれ和太鼓の小さいのが3つほど、そのほかに縦置きのたいこが2-3個あった。こちらはOB、OGだったようだ。
後方のパーカッション部隊も、鉦やすずやら、和風な楽器に持ち替えて、もりあげていた。
大太鼓の演者というのは、指揮者にも他の演奏者にも背中を向けてばちをふるう。
全身で音やリズムを聞いて、大きな曲の流れをひっぱっていく。
遠くに仲間の小太鼓の音がして、それがリレーのように、信号のように、別の鼓の振動に受け渡されてゆく。
太鼓の音というのは、身体が反応する。弦の音では揺れないスイングが自分の中に生まれる。
下町っ子の血なのか、そもそも日本人のDNAなのか。
オーケストラをひっぱっていく太鼓が、めっちゃかっこよくて、ほれぼれした。
演奏が終わって拍手を何度も繰り返す間、ソロパートでがんばった人が立って喝采を受けるシーンがあるのだけど、他の仲間も力いっぱい拍手しているのね。その表情が今回すごくわかった。
全部の演奏が終わった後も、パート仲間と握手している人がいた。
もしかしたら、4年生なのかもしれない。いろんな思いがこみ上げているんだろうなと見ていて思った。
バックヤードもたまには悪くない。
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