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2011/07/29

【装丁】叶静游氏五行歌集 『旅-寛容の世界-』

叶静游さんの歌集がとうとう出来上がった。

歌の原稿をいただいて、切り張りで豆本を作って打ち合わせたのが4月なので、ずいぶんかかってしまった。
今回、奥様の旅の写真と組み合わせて本にしたいということで、片面カラー印刷の割り付けで構成した。
前文8頁は両面モノクロ、64P*3章は、片面スミ片面カラーで、全200頁。
草壁先生が選をしてくれた歌を、写真との組み合わせ、ストーリー、配色などを考慮しながらレイアウトするというかなり悩ましい作業になった。(そうなんです。今回装丁だけじゃなく、先生や純ちゃんに手伝ってもらいながら本文のレイアウトもしたのです)

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まずは片面でカラーにする頁の確認から(笑)。レイアウト表をつくって歌と写真の配置を決めていった。

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歌と写真の場所があってないといけないので、著者との確認のほか、地図やガイドブックなどで裏付け調査。もちろん固有名詞の表記も確認する。
写真や歌の配置もときどきはリズムを変えて、単調にならないように、歌の流れが変わるときに写真の雰囲気も変えてと楽しくも苦しく悩む。

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インド洋の章は先生に手伝ってもらって、ようやく割り付けが完成した。ひゃっほう!

ようやく装丁の話し。
もちろん美しい写真が選び放題なので、カバーは彩の組み合わせでなるべくたくさん入れようとフィルム形式にした。本文でレイアウトの都合使えなかった写真も、カバーに数枚入れた。
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帯文に草壁先生。濃いめのグリーンできりっと!
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表紙はクリーム色に、グリーンの特色、花ギレ、しおり共グリーンでコーディネイト。見返しは、一作目『大切な時間』とおそろいの新だん紙。和紙のようなてざわりが、温かい。
本文用紙は、カラーののりと、ペラペラにならないよう印刷所さんからの助言で「微塗工紙」を使った。白さも十分で色が映え、高級感が出たので大成功。
本扉は、カバータイトルの赤い文字から、赤一色のグラデーションにしてみました。
旅行先がすべて海外だったため、全体的に洋風なイメージでまとめています。

苦労した本だったので、出来上がりがほんとうにうれしかった!!
井椎しづく渾身の作なので、ぜひ手に取ってもらえたらうれしいです。
(いつもどの仕事も全力投球してますけどね、もちろん)

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2011/07/27

【読書ノート】 百田尚樹 『モンスター』

最近、百田尚樹さんの本を読んでいる。『永遠の0』がとてもよかったからだ。

読む本は、「これはっ!」と思う一冊があったときにその作家の作品を手軽に手に入るところから選んでいく。
いくつか読んでいくと、その作家の持ち味が浮かび上がってくるのが面白い。
それが好きだったら、ファンになる。

先日読み終わったのは、百田尚樹著『モンスター』


**************ネタばれ含みます。ご注意を ******************************

幼いころから、顔が醜く友達もできず親からも愛されないヒロインが、整形手術で絶世の美女に変身して、ちょっとした復讐や、忘れられない男性に近づいていく。
整形手術の莫大な費用は、風俗業で稼いだ。

醜い女の目からみた、まわりの人間と、超絶美人から見た、とくに、男たちの変わりようが滑稽だ。
たんたんと観察し、男たちをもてあそぶ。

美しさとは作れるもの。 
整形手術まで行かなくても、よくお化粧のビフォーアフターで愕然とする場合もある。
美しいだけで、周りから知的に見られ、上品に見られ、憧れられ、尊敬され、嫉妬される。

でもそれはきっと遺伝子が優位なものを残したいという本能からなんだろうな。
惹かれるのはどうしようもない。
一方で、どんなに美女でも手痛いしっぺ返しをくらったら、二度と近づかないのも本能なんだろう。
おもしろいな。

化け物のような顔を持った、モンスターは、化け物のような心のモンスターに変身したけど、彼女が求めていたのは純粋な愛だった。
心から愛する人に、愛されたい。ただそれだけを求めていた。
このまとめかたは、百田氏らしさが戻ってくる。

情に流れるのをよしとするか、徹底的にモンスターであってくれと思うかは評価が分かれるところかもしれない。
途中の、人間観察が辛辣だっただけに、終わり方は甘い。

その人間観察は、読んで「なるほどー」と思うよりは、「ああ、あれはそうだったのか」というのがおもしろかった。
ふだん自分が何気なくであってる光景の中、何かを感じ取っている。
でもそれは表面の意識に上るまでもなく、潜在意識にぼんやりと刻まれている。

そこに、言葉で表現されたピースが、ぴたっとはまったときに、その潜在意識が表に浮かんでくる。
そう、まさに「詩」もそうだ。
ああ、これ、わたしも表現したかったこと、と思う。
わかっていたのに。

小説家というのはすごいなーと思った。こんな400ページもの小説にそういう指摘をいっぱい盛り込むのだから。
もう少し百田さんを追いかけてみようと思う。

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2011/07/13

バーチャルお庭めぐり

旅行から帰ってきて、4日目の朝、トースターのコンセントにつまづいてよろけてテーブルの足に、右足指を強打。
親指骨折してもうすぐ1カ月。
不自由な日々を送っていました。今週もう一度レントゲンをとってよさそうだったら、小さい添え木的ギプスもはずしてよさそうです。
とにかく移動するのが不自由で、親指に体重をかけず歩くのが大変。
一日終わると、右足ぜんぶ痺れて辛いのです。
おでかけも、指をくわえてがまんしてました。

そこで始めたのが、インターポット。
(7/13は、9:00-14:00までメンテ中)
出勤前とか、夜の時間ちょこちょこのぞいて、お水や肥料を上げたり、他の人のお庭めぐりをしてます。
きらり☆というのを送り合うと、収穫が増えるらしいので、きらり巡回もかかせずに。

ついでにつくったアバターくんは、わたしと違ってすいすい歩ける!
家族が出かけた休日の午後など、アバターくんを散歩させたりしてたわけですよ。
ときどき他のアバターさんと会話もできて、何気ないこととか、ちょっとしたコツとか教えてもらったり、思いがけず悩みを聞いたりとか・・・。

もちろん現実の家族や友人とは違うけど、アバターだから言えるとかできることもあったりして。
それがエスカレートするのは困るけど、どこかで心を癒したりするのは、現代社会大いにアリだなーと思います。
お庭でほめあったり、広場で遊んだりしながら、いつかは現実へ帰っていくのです。

現実への扉を閉ざさなければ、バーチャルの扉も多くの扉のひとつとして持っていていいなーと思います。
こんど金髪にしてみようかな・・・。

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