【装丁】 『風の伝言』 柳瀬丈子第二五行歌集
柳瀬丈子さんの『風の伝言』がようやくできあがりました。
この装丁、ずいぶん生み苦しみました。
最初、写真とイラストとそのバリエーションで5種類ほど提案させていただき、打ち合わせしました。
その後、決まりかけては変更を繰り返し、10種類以上提案した気が・・・。
作品を読ませていただき、生きものへのやさしい目をポイントにしたいと思い、鳥をテーマにしたすばらしいお歌があったので、かつ「風」のイメージ、鳥のモチーフを取り入れたいと考えていました。
かわいいイラストを使ってしまうと、柳瀬さんのスケールの大きさが表現できず、美瑛あたりの写真はどうかと思ったのですが、白地がお好みでなかったようすで。
空と海、両方の青、「秘色」を使いたいとのご希望、甘くなりすぎず、ちぢこまらないように、いまのデザインに落ち着きました。
すてきな鳥のシルエットは、商用フリーで使えるシルエット素材シルエットデザインさんよりお借りしました。
ここのサイト、すごいです。びんぼーなデザイナーの味方です! 実はこの次の装丁にも使わせていただきました。感謝です。
帯は文字をブルーにして、下のブルーが覗いてるような効果をねらってます。
秘色は、カバーの左側の色で、とても淡いのでグラデかけてます。
表紙と本扉はほぼ同じデザインで、鳥さんをみていただくとわかりますが、白→ブルー→濃紺、とだんだん色が濃くシルエットになってます。見返しは、本文となじむ落ち着いたクリーム。袖が左右色が違うので、くせのない色味にしました。
著者のこだわりで、一首だけ青い文字で印刷した歌もはいっています。
第一章 いきもの図鑑
第二章 風の伝言
第三章 いのちの環
第四章 海
命、自然への畏怖、太古からつながるリズム、おなかの底に響いてくるような歌集です。
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コメント
◇南野さま
色の勉強はしていましたが、「秘色」というのは初めて教えていただきました。新橋色を淡ーくしたような、幻想的な色です。
励みになります。メッセージありがとうございました。
投稿: しづく | 2010/11/01 07:44
遅ればせながらようやく実物を拝見いたしました。
青、秘色のグラデーション、美しいです。
柳瀬さんの歌たちと、響き合うような色合いだなあと感じました。
投稿: 南野薔子 | 2010/10/31 18:18
◇春風さん
ありがとうございます。
本がお好きな方に言っていただけるとよりうれしいです☆
毎回ゲラを読みこみ、著者の方のイメージも大切にしながら、試行錯誤、挑戦の日々です。
投稿: しづく | 2010/10/31 11:01
装丁が良いだけで本を買ってしまうこともあります。
それだけ装丁は大事だということですよね。
素敵な装丁ですね。良いお仕事だと思います。
投稿: 春風裕 | 2010/10/31 05:35
◇ゆうさん

メッセージありがとうございます
歌会でご紹介があったのですね。
ここのところ、全国大会の準備もあり、ばたばたとこのあと2冊たてこんで仕上げました~
でもデザインに悩むのは楽しいことなので、あまり苦になりません。やらせていただいて、ありがたいなーと思ってます。
ジャケ買い、わたしもあります☆
訴えてくるものが、ピンときたら、けっこう当たってることもありますね。
めざせジャケ買いしてもらえるレベル! です~!
投稿: しづく | 2010/10/28 22:43
実物、拝見しました。
先日、青は思う色を出すのが難しいと聞いたばかりなので苦労が伺えます。
空と海、両方のイメージということですが、縦のグラデーションもいいですね。
柳瀬さんの清々しいお声が聞こえてきそう。品位漂う・・・が第一印象です。
最近、装丁のお仕事続いて頑張ったはりますね。
凄いパワーを感じています。
装丁は、わき役なんてことないと思いますよ。
たまにジャケ買いアリな私です
投稿: ゆう | 2010/10/28 18:30
◇海の さん

熱いメッセージありがとうございます
ブルーは柳瀬さんのリクエストで、「空と海」のイメージでした。
装丁はわき役ですが、中身を引き立て表現するものでありたいと思っています。ついついやりすぎるのを、削って削ってと自重することが多いです・・・。
うれしい感想、ありがとうございました。
投稿: しづく | 2010/10/19 08:47
待っておりました〜
思いがけず先日の岡田さんの個展で買い求めて
もう何回も読んでいます!
内容は 私の尊敬してやまない柳瀬さんの
私の好きな歌ばかりなので泣く泣く割愛させて頂き(ご本人に感想をすぐ郵送したので)
しづくさんの装丁についての感想を……
題名からの色かな?とも思いましたが
表紙を捲って
私はすぐ海の底から浜辺までの青を感じました
その上を走る風と鳥!
帯は夏の雲みたいに ふわりとしていて…
中身におとらない、
さりげなく引き立てる素晴らしい装丁〜
こちらも何回も見てしまいました
あの紙質も私好み〜
中扉他、シンプルでいて品があり
柳瀬さんのイメージそのままでした
電子書籍では伝わらない。あの装丁…素敵でした
ご苦労の一端をいつも垣間見せて頂き
ありがとうございます
この歌集で『五行歌』って凄っ!
『詩情』って凄っ!
私ってダメダメ…と反省、精進をせまられた次第です
かなり人生修正にはいりました
ありがとうございました♪
投稿: 海の | 2010/10/16 20:34