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2010/09/22

第20回 五行歌全国大会in大阪-歌の話ー

今年も無事全国大会が終わり、ほっとしております。大阪のスタッフのみなさま、お世話になりありがとうございました。本部もがんばったね!(自画自賛) この後の入稿ラッシュもがんばろうね!
結果の表など見ながら、歌の話を書いておきたい。

今回、採点時に個人賞をきめて、作者がわかったところでミニ色紙を贈呈する企画をした。
「井椎しづく賞」は92番、華凛さんのお歌でした。

Photo_2


この歌を読ませていただいた時の、衝撃。
とことん自分の本性を突き詰めたら、恐ろしいものを見てしまうという真実。

歌を書く段階で、「この気持ちはなんだろう」、「どうやったら表現できるんだろう」といつも自問自答している。

たとえば「もやもや」の感情から、「あ、これは実はものすごい欲望だ!」 と気がついた瞬間、この歌が頭に舞い降りてくるだろう。恥ずかしくて隠したいかもしれない。なのにどこか俯瞰でみているもう一人の自分が表現したくてうずうずしている。
そしてそんな自分に絶望しながらもまだ書きたいと思う。
この壮絶さに心の底まで、串刺しされました。
プリントには四重○をつけて、迷わず色紙に92番、と書いた次第です。

本性を書かずに詠うやり方はたくさんあります。それもこれも詠み手の自由。
でもいつかどこかで、自分の本性と真っ向勝負するのが、歌を詠む意味だと思っています。

今回の私のウタ。

2010005

泥雲賞、と追加でかおるさん特製絵はがきをいただきました!
うれしいよー! 
小歌会でも二席をいただき、予想外でした。

鳴り続ける音、とは、自分の中に入ってくるさまざまな情報を表しています。
自分が聴きたくなくても入ってきたり、いつのまにか聞かなきゃいけないと思いこんだり。
事前になんでも調べられて、人の意見ばっかり聞いていたら、自分の意見を見失いそうになる。
のど元まで、あっぷあっぷだ、とふと気付いたとき、「もういいだろう」というフレーズが降りてきました。

どこかでふたをしなきゃ。

自分の頭で考えて、いろんな情報を整理して、予想して、想像して。
その結果でてきたものを聞きたい。
聞け、と。自分に言ってるのです。

私の場合、インプットされ続けているときは、アウトプットはお休みしている。
いったん、インプットを遮断して、反芻したり熟成してゆらゆら無意識状態から、しばしばぽろりと何かが出てくる。
なかなか余裕がないとできないのだけど、無理にでもその時間を確保したいもの。

ぼちぼちいきます。

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コメント

◇凛さま
 ありがとうございます。
 たしかに、解釈が2つ通りありますね。「だから書かない」のか、「それでも書くのか」。
 私は「それでも書く」という解釈でしたが、「(本性はそのままには)書かない」のもあり、だと思いました。

 ポイントはそこよりも、前3行の自分をばっさり斬った鮮やかさに身震いがしたのです。その刃は、自分のはらわたにもぐっさり刺さって、生き血がどばどば出てくるような気がしました。
 本性がわかってる、それを自覚する凄さ。それがわかっていたらあえて書かないのもありなんじゃないかと。

 入席、おめでとうございます。今回の凛さんのお歌は、「え? 凛さんの歌?」とちょっと意外な感じがしましたよ。改作されるんですか。楽しみだなあ。
 じっくりとしたコメント、ありがとうございました。謝謝。 

投稿: しづく | 2010/09/24 22:45

私も、華凛さんの歌に3点入れて、一番気になる歌でした。コミカルっぽい導入のあと、グギュンと球筋が変わって鋭く内角をえぐってくる不思議な歌で、暫く呆然としました。個人賞もこの歌にと思っていました。
でも、ここからが私の悪い所だと反省しているのですが、私の読み方に自信が持てなかったのです。作者を知らないと、全然思っているのとは違う意味の歌の可能性が捨て切れませんでした。それで迷った末にもう一つの気に入った歌にしました。
しづくさんの歌の意味にも通じるような迷い方でした。自分の中を聞いていれば良かったのに、何をオタオタしてるのでしょう・・しづくさんの歌からも、響いてくるものがあって2点入れていました。私はおかげ様で入賞を果たせましたが、自分の中の声だけを聞いて作った歌であったのか、これも反省しきりです。11月号投稿では、改作品を見て頂きたく思っています。
大変学びの多い全国歌会でした。お世話頂き、感謝しております。

投稿: 野田凛 | 2010/09/24 10:26

◇美雨さん
 ありがとさん。たまには歌の話も書こうかなーと思って。仕事っぽくなっちゃうのがいやで。そのまえにいちおうひとりの歌を書かずにはいられない?人ってことで。
 楽しいことって、ほんとに日常の花束みたい。その花を眺めながら、また日常を生きるよ。いい時間をご一緒できて幸せでした。またこれからもきっといいことあるから、こつこついきませう。

投稿: しづく | 2010/09/23 16:28

ここを読むと、しづくさんの五行歌に対する真摯な気持ちが凄く伝わってきます。

家に帰って、改めて作品集を見てみると、
「あっ、しづくさんの歌、私も入れていた!
点は入れなかったけど、気になっていたんだ、この歌、読みが浅かったな…」とか、また色んな意味で楽しんだり、反省したり

今回の全国歌会の私の歌は…
何も思い浮かばず半ば投げやりな歌になってしまい、しづくさんにも心配掛けてしまいましたね?
ごめんなさい、そしてありがとう。

全国歌会の皆のレポートを読み、余韻を楽しんで…明日への活力にします。

投稿: 美雨 | 2010/09/23 15:27

◇じゅんこさま
 こちらにもご訪問ありがとうございます☆
 初めていろいろ一緒にすごさせていただき、じゅんこさんのきさくな一面が見られてうれしかったです。
 わたしもじゅんこさんのお歌、入れてました。ホタル=恋心かしらんと思いました。すてきなお歌でした。 こちらこそ、またご一緒させてください♪

投稿: しづく | 2010/09/22 21:08

たくさんたくさんお世話になりましたー
2日目、ご一緒できて楽しかったです。
お歌、私も頂いてましたヨ。
グループ歌会、二席おめでとうございます。

またお会いできますよ~に。

投稿: じゅんこ | 2010/09/22 15:31

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