ゴーゴーミッフィー展 in MATSUYA GINZA
ディック・ブルーナさんが生み出した、ミッフィーちゃん(うさこちゃん)が、今年55回目のお誕生日を迎えることから、日本初公開の絵本原画、スケッチなど200点以上展示されている。
福音館で新しく、祖父江慎さんがアートディレクションした絵本が発売されるにあたり、祖父江さん自らツイッターで製作の過程をつぶやいてくれていた。
今回、フォントもうさこちゃん用にデザインし直したとのこと。たとえば「。」は正円でなく、ちょっとつぶれてるとか、ブックデザインの大御所なのに、こどものような喜びに満ちた創作現場のようすにいてもたってもいられずにいた。
オープン最初の日曜日だったので、予想はしていたがものすごい人だった。
みんなが原画やスケッチを、きらきらした瞳で見ていた。
いちばん来てよかったと思ったのは、ブルーナ氏がミッフィーちゃんを描くVTRがあったことだ。
最初にスケッチをして、それをケント紙(たぶん)にトレーシングする。
ケント紙には、うすく溝がついている。
そこを細い筆を使い、ポスターカラーで描いていく。その描き方は、まさに点描のようなのだ。
たとえば、ミッフィーちゃんの、口の×。
この片方の線を描くのに、筆を25回動かしていた。(数えた)
このラインのちょっとぎざぎざした感じは、この筆のうごきから生まれていたものだったのだ!
ブルーナ氏はインタビューのVTRでも語っていた。
「ミッフィーは、目の点2つと、口のクロスだけです。これだけで、ちょっとうれしいとか、ちょっと悲しいを表すのにどれだけ大変なことか」
単純な構成要素だからこそ、数ミリ、いや0.001ミリとかの差が違いを生んでいるのだと思う。
デザインとは、そういう単位の葛藤である。
ブルーナ氏の作品は、色にも特別のミッフィーカラーのみで構成されている。
こどもが見るには、理解しやすく、いろんな赤があるなかで、「ああ、これはミッフィーの赤だ」といえるものがあるのがオリジナリティを高めているように思う。
そしてうれしいことに、会場のディスプレイもミッフィーカラーでできている。まるごとミッフィーの世界へ入り込めるのだ。
今回お誕生日YEARということで、日本の著名人からミッフィーちゃんへバースディカードがたくさん届いていた。
みなさん絵やことばでお祝いをしていて、この人がこんな絵を描くのかーとか、作品になってるすばらしいものとか楽しくみられる。
会場の最後には、祖父江氏デザインの絵本が、ミッフィーカラーのソファに収まって、自由に読めるようになっている。やったー! 何冊か読んでみて、フォントの力を再認識。うーん、うーんとうなる。
出口のところは、あふれんばかりの人と、ミッフィーグッズの宝の山。
目が回るほどいろんな種類のグッズがある。会場限定ものも。
どれをみてもほしくなる。
いろいろ迷って、いちばんかわいいとおもった、赤パンツのノート。(ポストカードは売り切れたのかなかった)
マスキングテープを買った。
そのほか持ち帰ったチケットの半券やパンフをみてもにまにましてしまう。
壁に展示されていた、手作りのカレンダーの絵が、マチスだったりピカソだったりしていて、あのラインの単純さの原点もそんなところにあるのだということも感じられた。
むずかしいことをぬきにしても、とにかくミッフィーちゃんはカワイイのだ。作家のくろうはわからなくても、この魅力はいかんともしがたい。
カワイイは人のこころを揺さぶる。
カワイイばんざい。
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