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2010/03/02

【装丁】 五行歌集『夫恋い』 つまこい

同人の佐々木エツ子さんの歌集ができあがった。
佐々木さんは、四十九年つれそった夫への思慕を中心にこの歌集をまとめられた。
ご夫妻は文学の大学教授で、シェイクスピアの研究者とお聞きした。
佐々木さんにお会いした時の印象と、歌をじっくり読みこませていただき、イメージを練り上げてみた。
花がお好きと聞き、薔薇のイラストか写真を探していたところ、「フリー素材屋Hoshino」さんの写真に出会い、ご相談してお写真を提供していただけることになった。
イメージにぴったりの写真が、カバーを彩ると、装丁の中心部分とコンセプトが明確になった。
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表の顔と、裏の顔。
ここで一番悩んだのはフォント。硬すぎず、強すぎず、しなやかで、上品で、和風よりは洋風なイメージのもの。
タイトルの読み間違えを防ぐため、ルビを入れたい、という希望だったが、迷った末にローマ字に。
そしてこのルビの色も、白でも黒でもだめだった。帯をかけたとき、赤みがうすれるのでローズを選んだ。
帯は下地のローズをほんのり映すよう、やや透けるシープスキン。上品さも出る。


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表紙。
著者と縁のあるシェイクスピアのソネット、18、60を載せた。ここにどうしても羽ペンを置きたくて、いろいろ素材を探したのだが、思うようなのがなく、写真をもとに、自分で描いた。

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本扉は、カバー写真をモノクロにしてちょっとトリミングを変えてみた。
この写真は、モノクロにすると幻想的になる。次にカラーのプロフィール写真があるので色をいったん目から消し去る効果を狙う。アースカラーの見返しも同様の意味で控えめに。口絵がオレンジ基調なので、グレーよりは、やや温かみのある「うもれぎ」をセレクト。
※右上は重しにした石です。

この本が装丁12冊めになるが、写真を使ったのは初めて。これからもいろんなはじめての挑戦をし続けたい。

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コメント

◇ゆうさん
 あ、見ていただいてうれしいです。
 佐々木さんのプロフィールを知って、どこかにシェークスピアを入れたいと思いつきました。すでにパブリックドメインなので、著作権の心配もいらないですし。お好みを聞いて、ソネットから選んでいただきました。
 ほんとうに、タイトル通り、愛に満ちた歌に打たれます。その思いの深さが、薔薇の花弁の奥に潜んでいるイメージと重なりました。ありがとう☆

投稿: しづく | 2010/03/08 23:01

土曜日の堺泉北歌会で実物を拝見!
代表が前に立って本を手にされた時の第一声は「綺麗~!!」

薔薇の渦の柔らかさと色が美しく、タイトルもマッチしていて
一度、見たら忘れられない歌集になるでしょう。
もち、しづくさん装丁ということで、ちゃんとカバーも外してみましたよ。
シェイクスピアのソネットだったとは~凝ってますねぇ。

あ、内容に触れてませんでしたね。ダンディだったという旦那様への恋心が満載・・・
と言っても切なさでいっぱいだったりするのですが・・・。
まだ少ししか読んでませんが、好きな歌が何首もありました。

これから出来上がる本の装丁も楽しみにしています♪

投稿: ゆう | 2010/03/08 00:44

◇かおるたん
 いま忙しいのでしょ? ありがとう☆
 装丁って、ほんと着物のコーディネイトにそっくりよ。帯っていうし、袖(後ろに折り込む)っていうし。
 楽しいです。でもたまに選んだ紙が品切れとか絶版で使えないこともあるけど・・・。
 かおるさんにほめてもらえるのはめちゃうれしいので、やっぱり「ほー」と言わせたいとはひそかに思ってる(野望きらり☆)

投稿: しづく | 2010/03/04 08:56

いいねぇ・・・この花の色と雰囲気。内容はまだ知らないけど、読む前からワクワクしそうな予感から入れそうな装丁です。帯の透け加減も絶妙!
しづくさんと知り合って、装丁というものに意識し始めました。本作りて面白いね。
これからも楽しく私を裏切ってね!

投稿: かおる | 2010/03/02 20:26

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