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2009/10/14

【装丁】 『もの思いの論』

草壁先生著の『もの思いの論』、見本が印刷所から届いた。
ジャーン!
P1000233

けっこう分厚いです。10章あります。
一番心配だった、カバーの背幅と袖幅(折り返すところ)。実物をみてほっとした。

当初は、考える人のブロンズ像をデッサンして、ワイヤーイメージの抽象画に描き直したものを使おうと思っていた。今回、水源さんのイラストが入るので、合わせてみてるうちに、かち合う気がして、シルバーウィークをつぶしてもうひとつ案を1から作った。
わたしが最初に読んだゲラからも、進化していて、流れる思いのイメージ、思いをまとめ、自分の中心線を見出すことから、竜巻とか、渦潮のイメージが浮かんだ。
そこから色のコーディネイトとともに描いたカバー画がこれです。

カバーを取った裏表紙には、考える先生のイラストを。
P1000234

今回、月刊『五行歌』の五行歌日誌でおなじみの、水源純さんのイラストが10枚以上入っている。ほぼこの本のために描かれたもの。

「思い」「心」「精神」の違い。もの思いにより、自分をまとめ、より最高をめざして詩歌を書いていくこと。
草壁先生が語りかけるような文体で、日ごろおっしゃってることが、わかりやすくまとめられている。
わたしがいうのも手前味噌なのは十分承知だが、ぜひぜひおすすめしたい一冊である。

書籍データ紹介)

草壁焔太著
『もの思いの論-五行歌を形作ったもの』

第一章 思いとは
第二章 もの思いの具体例 五行歌で語る
第三章 思いの体系とその作り方、使い方
第四章 「思う」は内面を統合し、操る
第五章 古典にみる最高のもの-思い
第六章 実作が教えたもの-思いのたいせつさ
第七章 人間論
第八章 宇宙と人間
第九章 文化論
第十章 五行歌はなぜよいか

ISBN978-4-88208-097-8
税込 1,500円
市井社 
<近日刊、予約受付中> 

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2009/10/11

【読書ノート】1Q84 (読了の方のほうがいいかも)

村上春樹は何冊か読んでいるけど、特段好きな作家というわけではない。
この本がものすごいいきおいで売れたので、「そんなにメジャーだったけ?」みたいに思った。

物語世界へ引き込む力は申し分ない。
必殺仕事人青豆と、予備校講師の小説家卵の天吾の二人の主人公でテンポよく読ませる。
2巻の最後には、回収されていない謎が多く、先日、続編が書かれるとニュースでやっていた。

物語世界に身をおきつつ、リアルな村上春樹がこの作品でいいたかったことはなんだろうと考えている。

殺害される前のリーダーの言葉、こういうことが言いたかったのかな。
ものすごいふわふわのそう、大きな「空気さなぎ」の芯のところは、堅くて意外とシンプルなことなんじゃないかと想像している。

運命に対して、どう生きろ、というんだろう。
青豆は、自分で決断しつづけて、駆け抜けるように生き急ぐ。
一方の天吾は、まさに受け身で流され続けてるように見える。

どちらも正しい。といいたいのか。結論を求めるのは、愚かなことなのか。

物語の世界へ、強く引きずり込んでくれる作品は、やっぱり魅力的だと思う。
いろんな謎に包まれているけれど、その引き込む力は、一流の作品だと思った。

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