【読書ノート】正義のミカタ-I'm loser-
本田孝好著、双葉社。書き下ろし413P。
本田孝好さんの作品は、注目している。
タイトルの、「ミカタ」がカタカナなところ、サブタイトルが、「loser」なこと。うまいなぁ。
高校時代いじめられっこだった、蓮見亮太が、ひょんなことから正義の味方研究部に入部する。
その部では、大学内のいろんなもめごとを、正義感をもって対処し、やっつけていく。
敵か味方か、いろんな人物との出会いと騒動のなか、やがて蓮見亮太は、違和感をおぼえていく。
亮太が考えた末、部活をやめるといったとき、正義のミカタたちがしたこと。
それはとても正義のミカタでなんかなかった。
負けてるほうがほんものかもしれないと思わせた。
亮太は弱いけど強い。でもヒーローなんかじゃない。
すべてのいじめられっこが亮太になれるわけじゃないけど、別のものの見方を与えてくれるような気がした。
正義も振りかざして、人をおびえさせては、本質から離れてしまうってこと。
亮太は、自分なりのやり方を見つけることを選んだ。
どれが正しいとか間違ってるとか規制の概念に囚われるのではなく、自分で見つけることを選んだ。
そこがかっこわるい亮太を輝かせた、ものがたりの腕の冴えをまぶしくいとしく思った。
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