LOUVRE!
国立西洋美術館、「ルーヴル美術館展-17世紀ヨーロッパ絵画」へ行って来た。
混むかなと思って、天気の悪い土曜日の朝一で。チケットを持っていたので、ほとんど並ぶことなく入場。
でも中はすでに混んでいた。
最初の部屋に踏み入れたとたん、「これぞLOUVRE!」のキャッチどおり、おお! っと巨大な貴族の肖像画が迎えてくれた。豪華なティアラ、宝石、ドレス、選ばれた人だけのための肖像画。
いずれも1600年代の作品だというのに、発色も申し分なく、瑞々しく、300年~400年以上も前のものとは信じられない。
いままでの蒐集家や、ルーヴル美術館の管理、世界トップクラスであろう修復士の技の賜物なのだろう。
レンブラントの自画像は、何度もどこかで見ているようで、「本物だー!」と感慨深い。
フェルメールの「レースを編む女」はとても小さな作品。
フェルメールの作品は、世界に30数点しか存在しないがゆえの希少価値なのだろう。
でも、わたしにとっては、そんなに特別すてきな作品とは、思えなかった・・・。
おそらく、他の作品に比べてあまりに小さいこと。絵の具も薄付きで繊細な雰囲気がこの作品の良さとは思うのだが、周りをみると、なんだか弱弱しく感じてしまうのだ。(ごめんなさい)
そのほかの名もきいたことのないような画家たちの渾身の作品の方が、はるかに迫力があったように思う。
たとえば、ピエール・デュピュイ「葡萄の籠」。
目に見えるものをすべて写し取ってやろうという気迫にあふれている。
ものすごい精密なものだった。
女性や、王女の肖像画も、レースの一枚一枚、金の縁取りのカーブ、アクセサリーの輝きなど、実に丁寧に精密に描かれている。驚きの技の連続だ。
後半は宗教的な絵画が多くなってくる。
素晴らしかったのは、「大工ヨセフ」
ろうそくを持った少女幼子キリストと、横でうつむいて仕事をするヨセフの横顔が印象的だった。
当時の教会の様子がわかる、「聖堂の内部」という絵もなんだか写真みたいでおもしろかった。
広い通路を歩く信者や、その周りに描かれた絵などを写し取っている。
最後の方にあった丸天井の壁用であろう、丸い壁画は色味は白地にベージュや灰色のような線描で天使や門やいろんなモチーフが、中心にむかって吸い寄せられるように描かれていた。
とにかくすべてはずれがない感じ。
一枚一枚の仕事の気の遠くなるような丁寧さ。ほとんど執念とさえおもえる職人魂。
自分の欲望のためでなく、なんというか、仕事として、求められて描かれたのではないかと思う。
(さすがに風景画とか静物画は違うのかもしれないが)
なんというか、他の近代の絵となにか違う。
何が違うんだろうと考えていて、たとえば「大きさ」とか、「色味の制限」とかあれこれあったのだが、最後に思い当ったのは、それだった。
素晴らしい仕事だった。
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コメント
◇海のさん
おお、行ってらしたのね。
ヨセフ、絶品ですよねー。丸天井絵もくらくらになります。
押し合いへしあい・・・そんなに混んでいたのね。
わたしはARTS&CRAFTSを頭痛で見逃したのが残念でしかたがない!
投稿: しづく | 2009/04/23 21:19
ようやくワタシも拝見してきました♪30分ほど並びましたけど(笑)
「大工ヨセフ」の明暗、あの丸い天井画の人を惹きつけて放さない緻密さ、カルロ・ドルチの「受胎告知天使」も瞳にひきこまれるようでした。食べ物を食べている絵画たちのあのいきいきした躍動感♪うっとりして帰ってきました。押し合いへしあいのなかでしたが、無理して行って良かったです。充電できました~
そのあと行った「まどさんの100歳展」も感動でしたよ!お奨めですv
投稿: 海の | 2009/04/22 17:48