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2009/02/17

【読書ノート】 なぜ君は絶望と闘えたのか

~本村洋の3300日、門田隆将著、新潮社2008

(法に裁かれないのなら犯人を)「・・・私の手で殺します」
23歳の妻と、生後11か月の長女を惨殺された山口県光市母子殺害事件の夫、本村洋さんを初めてTVで見たのは、1999年のことだったのだ。
少年法で守られる加害者と、司法制度への不信、被害者遺族の苦しみ、本村氏はずっとマスメディアの矢面に立ちつづけ、訴え、その説得力のある言葉で世間を揺るがし続けた人だった。
「なんてすごい人なんだろう・・・」本村氏のまっとうなもの言いに、毎回揺さぶられた。この判決をずっと見守ろうと思って、新聞やネットなどをずっと追っていた。

この本は、本村洋氏を取材したドキュメンタリーだ。

この本の中には、本村氏自身も難病を抱える身だったこと、死刑以外の判決がでたら、自害しようと遺書を書いていたこと、職場の理解、熱血検事との出会い、犯罪被害者の仲間との運動がつづられている。
正義を信じ、けっして開かないと思っていた扉を開けた人たち。
その愛と信念に驚嘆し、その悲しみの深さに胸が張り裂け、人としてのありかたに心を揺さぶられる。

本村氏が正義の味方だとか、ヒーローだとかいうつもりは全くない。
彼自身、少年法というもの、死刑ということについて悩み、苦しみ、アメリカへ死刑囚に話を聞きに行ってまで自分の信念を確かめた。
彼はこの戦いをしないでは、生きられなかった。
被害者は、妻と赤ちゃんだけではない。
本村氏の一部も、殺されたと思う。
それは犯人が死刑になったとしても、一生修復されることはない。

凶悪な犯罪がなければ、死刑もない。
こんな被害者、加害者を出してはならない。
そのために自分ができること。
たとえばそれは、毎日おいしいごはんを作ること、にも宿っていると思う。
一日のうち出会った人に、笑顔を向けることでも。

自分にこれからどんな困難が降りかかる日が来るかもしれない。絶望の淵に立った時、彼らの戦った軌跡は、灯台のようにわたしを照らしてくれる気がする。

正解なんてない。
自分で動いて悩んで苦しんで光の先のものを見つけるしかない。


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2009/02/15

ほしいものがあったので、ちくちく、ガチャガチャ

ちくちく第二弾。
これなーんだ。
Rimg0710

昨日はデッサン教室へ行って来たのだが、いつも鉛筆をいれるケースが不満だった。
黒い革のペンケースを使っていたのだが、鉛筆をいれると長さがぎりぎりで、しかもすきまから小さいものがこぼれる。
もっと大きいサイズ、できれば巻物式の、筆巻きがほしいと思っていた。

家のストックをがさごそ。
スケッチブックを入れるために作ったバッグの端切れ発見。
おそろ~おそろ~♪
裏地は、クッションにつかったあまり。足りないので、パッチワークの残りもはいで使う。

広げるとこんな感じ。
筆を入れても大丈夫サイズで、設計。
Rimg0711
最後、紐をつけるのを忘れて、裏地の共布で作ったが、ひっくり返すことができず挫折。
ビーズアクセサリー用のろう引きの紐があったので、それをつける。
ついでにウッドビーズも黄色をセレクトしてつける。

ニャー。広げるとなんだか変だな。
上のでっぱったきれは、落ちないようにふたになるのです。
横のでっぱりは必要なかったのかあったのか、なぞ。
あまった切れの形を最大限生かしたら、こうなったなり。

今回は、何も買わずに完全リサイクルなり。
できあがりはかなり適当だけど、ほしかったものだったので、満足でした。

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2009/02/07

ちくちく、ガチャガチャ

今日の午後から断続的に、あーもう22:30!
和装用前掛けがほしくて作っていました!
Rimg0709

表の縞生地は、インド綿。スカーフというか風呂敷みたいに1m四方で売っていたもの。
裏地を何にしようと考えていて、夫の古い浴衣をほどいたものを使ってみようかと。
ポケットにするため、裏地が出るので、そこんところは赤にしたいと思っていた。
先日のギフトショーのときに、三河木綿のいい色の赤無地を見つけたので、いよいよ製作! となった次第で。

ほぼミシンで作っていますが、不安なところはやはりしつけをかけてから。アイロンも欠かせません。
すべて直線縫いなので、楽なのですけど、紐が限りなく長かった・・・。
無事今日中に終了。
「できたよー!」と家族に見せると、夫がいきなりつけてしこをふんだ。
・・・・まわしじゃないんですけど。

「へい! いか焼き一丁!」<酔っぱらいです・・・。
「あなたのじゃありませんから!」

紬とか木綿着物とか気楽な着物きて、この前掛けつけてたすき掛けでおせち料理を作ったりなんかして・・・ムフフ。
妄想は膨らむけど、まだ木綿着物は持っていない・・・。
おせち料理も作ったことない・・・。
ま、気に入った生地をつかってリサイクルもかねてできたので、大満足です。

☆参考にした本はこちら。↓ いろいろ小物を手作りしたくなります♪

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2009/02/04

展示会ダブルヘッダーで足が棒

今日は一日中歩き回った。
最初に行ったのは、東京ビッグサイトの「Gift Show」。
西も東も全館使ったビッグなイベント。
『すぐ書ける五行歌』で、装画に使わせていただいた置鮎早智枝さんが出店していて招待券をいただいていたのだ。今回とくに、墨字作品が中心と聞いて、駆けつける。

送っていただいた地図の丸印を頼りにブースをのぞくと、置鮎さんがすてきなお着物姿で座っていらした。
仕事のやり取りはすべてメールだったので、お会いするのは初めて。
まさに装丁につかわせていただいた本物の作品も展示されていた!

近くでよく見せていただくと、墨で描いたものを緻密にコラージュしてある凝ったものだった。製作の過程などのお話も聞かせていただき、大変楽しかった。それにテーブルには『すぐ書ける五行歌』も置いてくださって、声をかけてくださるお客様へ説明までしてくださったとのこと。感激。

ギフトショーということで、墨字をつかったギフトボックスや、お酒のラベルなどの展示もありなかなか好評とのこと。どれもとても個性的でおしゃれ。とってもすてきな作品だった。

その後ほかのブースで、アクセサリのパーツを買ったり、三河木綿の端切れを買ったり、ランをもらったりしながら5:00過ぎに展示場を出る。埼京線へつながっているりんかい線を使うと、乗り換えなしで渋谷へ出る。

比抄子ちゃんがぴあ読者限定の特別貸切鑑賞券をゲットして、ペア券だったので誘ってくれたのだ。
Bunkamura ザ・ミュージアム -ピカソとクレーの生きた時代ー。音声案内も無料で貸し出してくれて、ゆっくり時間いっぱいまで回る。
クレーの作品をこれだけ一気にたくさん見たのは初めて。

ピカソは、「鏡の前の女」がよかった。ドイツ、ノルトライン=ストファーレン州立美術館の中でも自慢の作品らしい。
モデルはマリーテレーズらしい。もうひとつドーラがモデルの作品があり、こちらはやっぱりサイケデリック。
国立新美術館でも対照的な二人だったが、ここでも雰囲気の違いが見て取れる。

クレーは、「赤と白の丸屋根」というかわいらしい作品が目が離せなかった。絵葉書を買ったが、やっぱり色が違うのでがっかり。
ポスターにもなった「リズミカルな森のラクダ」もうつくしく童話のさし絵のよう。
ナチスに迫害された辛い経験を持ったらしいクレーだが、その作品は夢を忘れず自由で明るいものだった。
心の強い、うつくしい人だったのかなと想像してしまう。

足がくたくたに帰宅したが、たいへん充実した一日だった。

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