映画 「西の魔女が死んだ」ネタばれ少々あり
日本児童文学者新人賞、新美南吉児童文学賞なども受賞した、梨木香歩さん原作の小説が大好きだった。
ずいぶん前に読んだので、細かいところは忘れてしまったが、あえて読み返す前に映画を見た。
清里の緑豊かな山におばあちゃんは暮らしている。
その生活は、まさに自給自足のターシャ・チューダのよう。
まずはサチ・パーカーの存在感。
おばあちゃん役のゆっくりと抑揚のついたうつくしい日本語に、はっとする。
映像のうつくしさに癒される。
これは学校へいけなくなったまいの魔女修行という名の成長物語だ。
原作とはほぼ忠実だと思うが、おばあちゃんの魔女の定義が本を読んだ時とちょっと違う印象だった。
映画の魔女とは、堅実な人間そのものであるような。
原作は、もっと魔女っぽかった。
まいの学校生活とか、りょうさんのワーキングマザーのリアルさ。
母と子の関係のごつごつとぶつかる感じが、おだやかな全体のストーリー全体にとってちょっとしたアクセントになっている。(けっして掘り下げてはいないけれど)
見終わって原作とどうこう比較するより、なにより、サチ・パーカーさんの演じたおばあちゃんの優雅なたたずまいが心に残る。人はどう生きるのか、どう老いて死んでいくのか。
そしてそこへたどりつけるには、なにをどうすればいいのか、ぼんやりと考えてつづけている。
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