はまる。
家にころがっていた『ナ・バ・テア』。
娘が友だちから借りたという。
押井守監督の映画「スカイ・クロラ」の原作シリーズ。
物語の時間軸でいくと、『ナ・バ・テア』から始まるという。
「読ませて・・・」と借りて読んだのがすべてのはじまりだった。
あらすじはぐぐっていただければあれこれ出ていますが。
永遠に生きることを宿命づけられた“キルドレ”と呼ばれる子どもたちが暮らす、もう一つの現代で、彼らは“ショーとしての戦争”で戦闘機に乗って戦っていた。 yahoo映画より
読み終わっても「キルドレ」なる存在がどういう経緯で生まれたのか説明がなく、(第二弾から読んでるのでしかたがない)、つっこみたい設定もあれこれあった。
なのに、気になってしょうがない。もうシリーズ全部読んでやる! と決めていた。
鈴木成一デザイン室の超クールな装丁のやつ。
図書館で予約をみて、一番すぐ借りれたのは『スカイ・イクリプス』。こちらは、全編読んでからの謎解き的オムニバス小説。いくつか登場人物の名前がはっきりしない。それでも、これはこの人、あれはこの人と予想をたてられる。それでも霧に包まれたような作風は、森博嗣のものだ。
物語の世界へ包まれると、自分が雲の上を飛んでいる。
いつも空がとてつもなく自由で広くてうつくしい。
無線の声が聞こえる。
銃撃と光。
仲間の飛行機が落ちていく。
なにも感じなくなったら楽だろうと思っていた。
悲しみも痛みも苦しいだけだと思っていた。
なのに、このお話は、悲しめないことが哀しい。
自分の人生を生きて、年老いて死ねないことが苦しい。
そのことを気づかせてくれたから、もう少し、この世界に入り込んで住んでみようと思う。
森博嗣著、スカイ・クロラシリーズにはまる。
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コメント
◇波那さま
お、イクリプスを読んだのですね。
それなりの空気感はありますが、やはり情報不足ですよね。気になったらシリーズで読んでみてください。
装丁は、一流の方です。NHKのプロフェッショナルにも出ていた好きな装丁事務所のひとつです。
投稿: しづく | 2008/10/15 15:59
おはようございます。
『スカイ・イクリプス』だけを読みました。やはり図書館から借りたのですが、
>こちらは、全編読んでからの謎解き的オムニバス小説。
……そうでしたか。どうりでなんだか解けないなぞなぞみたいな読後感だったんですね。
綺麗な空の装丁でした。こちらも有名な方だったんですね。 いろいろ分かって嬉しいです。ありがとうございます!
投稿: 波那 | 2008/10/14 09:43