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2008/04/12

佐倉市 川村記念美術館

若い頃から夫と共通の趣味といえるのが、美術館めぐり。
お天気もいいということで、千葉佐倉市にある、川村記念美術館へと足を伸ばす。
夫は、人ごみが嫌いなので、休日に込みそうなところは避ける。たとえば、国立新美術館で、モディリアーニをやってるけど、絶対選ばない。

上野から京成の特急に乗って、約1時間。佐倉の駅前から無料送迎バスで30分ちょっと。
こちらはリンクでサイトをみてもらえばわかるが、広々とした庭園があり、自然散策路もある。桜の時期をはずしていることもポイントである。
といっても、菜の花やすみれ、紫モクレン、しだれ桜など、十分に楽しめた。

創業100周年記念展をやっていたので、入場料は常設を含め1500円。ま、マティスだしな、と納得。
展示室は、常設からはじまったのだが、1階フロアーのコレクションの豪華さに目を剥いた。
ルノワールがいきなり3点、ピサロ、モネの睡蓮、ジョルジュ・ブラックのマンドリン、ピカソ2点、マリー・ローランサン、シャガール2点、レンブラント、カンディンスキー。

日本画は、尾形光琳、上村松園、横山大観と少ないがビッグネームが並ぶ。

さらにエルンスト、ミロ、マグリット、マン・レイ。
2Fにはジャクソン・ポロック、サム・フランシスもある。
常設だけでかなりおなかいっぱい。

とくにすてきだったのは、106展示室、「ロスコ・ルーム」。
部屋にはいったとたん、ふぁーと歓声をあげてしまう。1枚の横幅が4m以上ある巨大なカンヴァス、壁一面に1枚、もしくは2-4枚、全部で7点、一室に飾られている。
リンクから実物の写真を見ることができる。

当時のロスコは、グループ展などで他人の作品と同じ部屋に作品が並ぶことを嫌い、自分の絵だけでひとつの空間を創り上げたいと切望していました

この部屋は、作者ロスコの意図を忠実に、最高のパーフォマンスでみせてくれる。
平面なのに、まるで部屋全体の空気が立体作品みたい。
まんなかにあるソファに座りこんで、何時間でもいたい気持ちになる。

あと、常設でいちばん対話したのは、パブロ・ピカソ『シルヴェット』だった。
こちらもどんなに見ても、見あきない。

さて、やっとDIC創業100周年記念展 マティスとボナール ―地中海の光の中へ―
ボナールという人は、あまり聞き覚えがなかった。
実際、ボナールという人は大変器用で、いろんな作風の作品を描いている。
印象派ぽいものもあれば、マティスに似てるものもある。ロートレックかと見紛うばかりのものもあれば、写真もあった。なんというか、定まった作風の印象が弱いというか。

マティスで凝視したのは、「左に傾けた首」。わたしはマティスで好きなのは、素描なのだ。あのラインに見惚れてしまう。
ボナールが撮ったのか、マティスのアトリエの写真もあった。壁画?を書くのに、何メートルもあるかと思う絵筆を使っているのがおもしろかった。

もう少し時間があったら、外の散策路ももっと歩きたかったが、帰るのに2時間以上かかるので早々に引き上げる。それにしてもひとりで、たたずめる空間を確保しておくってことは、心の支えになる。
あの、ロスコの部屋を、ときどき思い出そう。

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