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2008/03/14

読書ノート 重松清『青い鳥』

拝啓、重松清殿

わたしはあなたの作品が少し苦手でした。
重くて、暗くて、現実に打ちのめされる気がして、なかなか読めずにいました。
真摯な方とはわかっているのに、食わず嫌いのようなものだったと思います。

『青い鳥』を読ませていただきました。
泣きました。

8人の生徒の物語。それぞれに、失語症だったり、虐待だったり、先生を刺してしまった子だったり、いろんな事情や悩みを抱えた中学生。そこに共通して現れる、国語教師なのになぜか吃音の村内先生。
一人ひとりの生徒をすごくよく見て、寄り添える人。
こんな先生は、いないっていうのは簡単だけど、わたしは信じたい。
っていうか、自分がなればいいと思った。
そのためのお話なんだと。

重松さん。
やりましたね。
あなたがずっと世に問い続けたかったことが、この作品には、ちょうどいい音量で、心地よい温度で、痛すぎない強さで、見事に表現されています。
そしてその柔らかで熱い魂(たま)を、わたしは初めて、しっかりと受け取ることができました。
ぼたぼた泣きました。

尊敬と愛をこめて、5点満点の5点献上いたします。

井椎しづく拝

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コメント

◇柚月
 両方借りて来たよ~!
 ぼちぼち読みます!

投稿: しづく | 2008/03/26 13:13

『小さき者へ』も良かったのだけど、最近もっと号泣したのは『その日のまえに』でした。すごくお勧め~!

投稿: 柚月 | 2008/03/22 18:03

◇柚月
 うん、よかったよー。何かの書評で読んで興味を持ったの。柚月はずっとファンだったよね。
 おすすめのも探してみるよ。
 ありがとねー。

投稿: しづく | 2008/03/19 08:51

そっか~、そんなに良い話だったのですね。
私はもともと重松さんファンだし、こんなにしづくが絶賛しているのならすぐにでも読まねば!…という気になりました。

>あなたがずっと世に問い続けたかったことが、この作品には、ちょうどいい音量で、心地よい温度で、痛すぎない強さで、見事に表現されています。

そこらあたりを実際読んでたしかめなければ…だわ。
ちょっと前に読んだ『小さき者へ』もすごく良かったよ。

投稿: 柚月 | 2008/03/16 23:36

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受信: 2008/03/14 17:07

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