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2008/02/25

読書ノート 『小林秀雄全作品2 ランボオ詩集』

この本の全体の3/5をランボオの詩集の翻訳が占める。
それにしても・・・。なんと難解な詩であることか。

自分のやわなスポンジでは、この濃密なスープを吸い上げることさえかなわない。
十代から詩作し、21歳には筆を絶って世界を放浪、37歳で夭折したランボウの詩は、苦しみに満ちている。

一番興味を持って読めたのは、「批評家失格Ⅰ」である。

独断家だ、と言われる。ほんとにそう思うかと真顔になって聞き返す。相手は黙って何にも喋ってはくれない。
私はただただ独断から逃れようと身を削って来た。その苛立しさが独断の臭いをさせているのだろう。だが、私には辿れない。他人(ひと)にどうして辿れよう。きたならしい臭いである。
併し、自分を棚に上げなければ批評文は出来上がらない。自分を棚に上げるとは、つらい批評家の商法だ。これをつらがるに準じて批評というものは光るものであるらしい。

自分もこうして本を読んでは、こうやって記事を思わず書いてしまう。書かないではいられない。
それは本(対象)から受けた感銘を誰かに伝えたいし、共有したい思いがあふれるからにほかならない。
感想を表出することは、その自分の価値観の柱の一部を見せることだと思う。自分自身に対しても。

職業としての評論家は、もっと高いもの。たとえば世論を正すとか、著者(作者)を鼓舞するとか、未熟な人を教育するとかいろんな意味があるのだろうと想像する。影響力が大きければ大きいほど、それに対する反論も大きくなる。反論に負けない資質、も大事なんだろう。
「つらがる」。それは、反論よりももっと、自分が自分に対して「厳しくある」ことだと思う。

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2008/02/22

携帯不調(業務連絡)

またまた携帯電話がおかしい
メッセージの通知がサーバーから削除できない。
メッセージの受信もできない

いろいろ調べたら、サーバーと電話機が不整合になると起こるらしい。
メッセージ受信中に、メモリカードにアクセスできないとかあったからか。

先月も、AQ歌会の直前起動したあと、固まって操作不能になった。その後大丈夫になったのだけど・・・。
今回もAQ直前・・・。なぜだ・・・。
わたしの携帯へメールしてくださっても、受け取れない可能性があります。
今日、なんとかショップへ持っていきたいと思いますが、来週になるやもしれません。
よろしくお願いします。

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2008/02/15

内職

夜、娘の手伝いでふくろつくりと、友チョコ(バレンタイン)のブラウニーを焼いた。
なぜ今日かというと、当日は手荷物検査があるとかで持っていかないのだ。
今晩作って、明日持っていくという。

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袋は、買いにいったんだけど売り切れで、しかたなく包装紙を買って、8つに切って、8つの袋に糊づけで組み立てた。100円で16つとれるからお得だ。しかし、袋から手作りって、ふつういないよ、とぶつぶついいながら、けっこう楽しく作ってしまう。柄がよこになってしまったのは、どうしても8つ取りたかったからなのだ・・・。

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ブラウニーは、材料を揃えるのに3日もかかって苦労してしまった。
無塩バターがどこへ行っても品切れで、毎日仕事の帰りにいろんな店を回ったのだ。
いま冷ましているところ。これにポップなキャンデーを追加して、袋にいれてシール? ああ。何時に終わるのだ?
22セットつくって、のこりは、タッパに1口サイズで詰め込む。
じゃ、そろそろ仕上げにかかるかー。

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2008/02/05

読書ノート 『陰日向に咲く』

劇団ひとり著、幻冬舎 2006

娘が友達にすすめられて、借りてきた。

作者は芸人であるが、この作品は彼が芸人であるがゆえの才能が開花した傑作だと思った。

主人公が異なる5つの短編がオニムバスとして構成されている。
あちこちに覗くのは、他の短編の登場人物。
お互い「陰日向に咲く」ものどうし、人生ですれ違う。
語り口はあくまで軽く、読みやすい。

ある短編は、○○トリックが使われている。推理小説でときどきみかけるだましのテクニック。
そう、全体的に推理小説のような構成力を感じるのだ。
作者は、推理小説をかなり読んでいるとみた。

ひとつひとつの物語の落ちのつけ方にしても、芸の落ちに通じるのか。
登場人物は情けなく、人生の負け組なのに、どこか救いがあって、たくましい。
笑顔を感じて、じんとする。
娘は映画も見に行ったのだが、かなりよかったらしい。

★4つでは足りない。★4.5献上。

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2008/02/04

読書ノート:1月まとめ

1月に読んだ本

万城目学 鴨川ホルモー           ★★★★
畠中恵 ぬしさまへ             ★★★★
川上弘美  真鶴                 ★★★★
岡嶋二人 クラインの壷            ★★★★
森博嗣 τになるまで待って           ★★
米原万里 打ちのめされるようなすごい本     ★★
小林秀雄 小林秀雄全作品1         ★★★★★
畠中恵 ねこのばば             ★★★★    
渡辺淳一 鈍感力                  ★★
畠中恵 おまけのこ             ★★★★
畠中恵 うそうそ               ★★★★
田村裕 ホームレス中学生          ★★★

<★★~★★★>
鈍感力って、ハウツーですらない。なんなんだ、このうすっぺらさ。
米原さんの好みと、自分の好みが合わなかった。読みたくなる本があまりなかった。
森さんのミステリは、いっぱい出ているが、最後の落とし所が納得いかない。
ホームレス中学生、これは児童書とある。全体的に作文的な書き方が気になったけど、訴えるものはある。

今読んでるのは、
小林秀雄2冊目と、陰日向に咲く。劇団ひとり、かなりいいです。

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