読書ノート『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』
リリー・フランキー著 扶桑社
ジョン・レノン命日です。
オノ・ヨーコが来日中で、TVで見られてうれしい。あれこれ多忙にて今年はコンサートチケットとらなかった。
いまさらながら、この作品。以前ドラマで見てしまったので、読まずにいた。
図書館の予約を入れて、そのうちと思ったのが、最近。
すごい本だった。
リアルなドキュメンタリーの間に、突然立ち上がるリリカルな心象風景。
彼が、なぜ「リリー」なのかもわかった。
一人の母親として全力で行きぬいたオカン。
この人の日常的なおさんどんから生まれて、与えられた宝物のすごさ。
人と人とのつながりの暖かさ。
東京のとらえかた、貧しさの定義、豊かさとは、いろんなことを語ってくれている。
自分も東京にうまれ、生きている中でかけ落ちていたものの形がくっきりとみえてきた。
最後の数ページのモノローグは、オカンへの手紙だ。
体の奥からあふれてこぼれる魂のことばだ。
こぼれるものを全身で受けとめ、圧倒される。
わたしの心の中の殿堂入り、決定。
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コメント
◇グランさま
グランさんもすごくはまったんですね。
映画もドラマも2本ごらんになったんですかー。
私は速水もこみちさんと、倍賞美津子さんのおかんの方を見ました。
本をじっくり読んで、いろんなことを考えました。
「このオカンは、なんでこんなにむしょうで与え続けられるんだろう」
オカンの支えた日常の家事は、豊かな人間関係をつくって、多くの人の心を暖めた貴重なものだった。
息子のマー君の心の中にズドンと立った「柱」だった。
ほんとにいろんな衝撃をもらいました・・・。
忘れられない本です。
投稿: しづく | 2007/12/12 10:22
いろいろな人に勧めていた本ですが、なかなか読んで下さる方がいませんでした。
体ごとど~~んと読んでいただけてなんか嬉しいです。
ドラマが2つに映画と一人の人生がこんなにたくさんの人に演じられるのも珍しいと思いました。
それぞれの演者の比較もできて、それも面白かった。
私は映画がよかったと思いますが。
ヒトを愛するってこういうことなのか、と胸にズシンときました。
久しぶりに泣いた本です。
ちなみに、全国大会のグランのお歌の「オカン」はこの本からいただきました。
九州なら皆さん、読んでいらっしゃるかな・・・と。
投稿: グラン | 2007/12/10 00:46