読書ノート 『編集者という病い』
このところの装丁の仕事が、あまりに自分を侵食するのが怖くなっていた。
四六時中装丁のことを考えていて、本を読み漁って、本屋をうろついて、夢の中まで考えている。
苦しくてしかたがなかった。
でも、それはあるべき当然の「病い」だったと知る。
『編集者という病い』 見城 徹著 太田出版
幻冬舎社長の見城氏の「編集者という病いを背負った人間の総決算」として出された。
彼の仕事の仕方は壮絶だ。
作品にほれこんだ人物には、キッチリ自分の体重をかける。じっくりとどっぷりと切り結ぶ。
以前、石原正康氏の仕事の紹介をTVで見たが、その仕事振りは、当然ながら見城氏直伝なのであった。
見城氏は、自分は臆病だと語る。
だからこそ、考えられる、できることの全てをやる。
自分を変えるものしか興味がない
病いを持った宿命は、すすむことしかない。
恐ろしいことだと思う。
そしてくらくらするほど、魅力的だ。
自分にも病いがあるなら、そのままにすすむしかないのだろう。
迷っている暇はない。
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コメント
◇グランさま
いまは、おかげさまで少し落ち着きました。年末にかけてまた忙しさの山がきますが・・・。
「水やりの時間」そうですね。ありがとうございました。
◇すいすいさま
ああ、やっぱり侵食ありますかー。(にこにこ)
とにかく見城氏、濃厚な仕事ぶりですね。重複が多いのもメッセージがなんどもリフレインして、めまいがしそうです。本全体が、(見返し包帯チックだし)病んでる感満載。やばすぎる。
でもそれをこれしかないと肯定してくれると、視点がぐるっと変わってみえたんです。
すいすいさんが、「患えて幸せかも」と思ったように。
臆病もまたよし。すべてが裏と表があって、それがふり幅になってる。なんだか励まされたような気がしました。
投稿: しづく | 2007/11/21 17:07
しづくさん、お久しぶりです。
尾崎豊氏の事で私がお薦めした本ですね。
ヘタをすると共倒れになるまでの惚れ込で、作家も編集者も危険な状態になるのだろうな~と思ってしまいました。
私も寝ても覚めても仕事の絵の事しか考えられなくなることがあります。
その思考の浸食力は気持ちが悪くなるぐらいです。
でも最近、「何も興味を惹かれる事が無くて毎日がつまらない。」と言っている人を見て、そんな『病』を患う事ができる私は幸せなのかもしれない、と思いました。
投稿: すいすい | 2007/11/19 23:04
しづくちゃん、こんばんは。
これはアーティストの悩みですな。
グングン前に進むことはいいことです。
納得いくまで進んでください。
でも、そのあと必ず水やりの時間を自分に与えてくださいね。
美しい花を咲かせるためには、水と栄養は必要不可欠ですもの。
どこか、ぶらりと歩きたくなったらお声かけをして下さいね。
投稿: グラン | 2007/11/19 20:07