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2007/05/29

読書ノート 『夜市』

『夜市』(よいち) 恒川光太郎 角川書店
第12回日本ホラー小説大賞受賞作

自分は怖い話はきらいである。お化け屋敷もだめ。
ホラー小説大賞はまず手にとらないのだが、家人のすすめで「千と千尋」みたいな話だというので読んでみた。

高校生のいずみが、同級生の裕司に連れられて森の奥でやっているという夜市へ出かける。
そこはこの世のものではない、異形の生き物がうごめく不思議な市場だった。
ストーリーはこの話の核心なので、多くは語れないが、大変よく練られたものだと思った。

人が抱える闇、罪の意識、罪を償うこと、どこか自然な掟が働いてそれなりの結果に落ち着いていく。
結末はハッピーではないが、自然で説得力もあった。

もうひとつ収録されているのは「風の古道」。
こちらはもう少し血なまぐさい。

「いかなる奇跡を用いようとも、生を得るとはそういうことではないのですか?」

僧侶のことばが、心に残る。
なんともいえない風の音を聞いたような、不思議な世界観に冷たい手で触られた気がした。

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