祖母から母へ
今日は実家へ着物を着ていった。
着付け教室も今月で最後。筆記試験や、20分で着付け終わるテストもある。電車に乗って外出しなれておこうと思って、鮫小紋と母の羽織。
節分だし、おめでたモードな感じで。
母に、小紋をもらう約束をしていたので、みせてもらう。
グリーンの帯揚げと帯締めがあったので、していったのととりかえてみた。
目の覚めるような補色! 洋服だったらぜったい身に着けないのに、着物だとぜんぜん平気なのが不思議。
母が、「これみせたことあったっけ?」とやおらとりあげた長じゅばんがあった。
「着ることもないんだけど、これはどうしても処分できない」という。
えりのところにあるのは、祖父(母の父)の出征旗だという。
日の丸に、墨で祖父の名前が書いてある。
物のない時代、祖母がはぎれをつなぎ合わせて、母に縫い上げた長襦袢だという。
祖父は、母が二歳のときに戦争に行ってあっけなく亡くなった。
子ども三人を、祖母の和裁が支えた。
そのていねいな仕事ぶりに、泣きそうになった。
ていねいにたたまれたそれは、また母の桐ダンスで眠りについた。
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コメント
◇かおるさん
ありがとう。母が娘のころの着物だから40年くらい(!)経ってるわけよね。洋服じゃこうはいかないですよね。わたしもどんどん着物が好きになってきてしまいました。お金をかけずに、手作りとかリサイクルで小物を増やしたい今日このごろです。
投稿: しづく | 2007/02/08 18:17
私達が今いられるのは先人達が逞しく生きてくださったおかげだと思います。
古いものはいろいろと語ってくれます。
そういうものも私達は引き継がなくてはと、もう一度確認しました。
よりいっそう着物が好きになりそうです。
投稿: かおる | 2007/02/05 12:00
◇柚月
母の前ではこらえたけど、あとで何度もこの写真を見返しては、ふとんの中で泣いた。ウタに詠んだ。
投稿: しづく | 2007/02/05 08:48
綺麗な状態で大切に保管してあるのね。
泣きそうになったしづくの日記に泣きそうになった。
短い小説の一文みたいだ。
投稿: 柚月 | 2007/02/04 20:25