「フェロモン」という言葉が舞い降りた
たまにはウタの話。
先日のAQ歌会へ出したウタ。
フ 庭 濃 緑 雨
ェ 木 い の あ
ロ の 匂 が
モ 放 い り
ン つ が は
に
酔
う
歌会に出す前から、読んでくれる人の反応は2つに分かれるだろうな、と思っていた。
「(庭木の放つ)フェロモン」を認めてくれるか、否か。
フェロモン 1 [pheromone] 動物の体内で生産され体外へ分泌放出して同種個体間に特有な行動や生理作用を引き起こす有機化合物。多くはにおい刺激として受容される。仲間に危険を知らせる警報フェロモン、異性を呼びよせる性フェロモンなどがある。昆虫や哺乳類でよく知られている。 (大辞林より)ふつうは、植物には使わない。また、フェロモン=性フェロモンというイメージの強さから、嫌われそうだと思ったのだ。 でもでも。雨あがりのいわゆる「むせるような匂い」は、とても性的な感じがする。 Tちゃんも、「色っぽい」と言ってくれたが、ほんとにそうだ。 これは、緑に誘惑されている、とおもった。 この感じ、この感じは・・・・とあれこれことばを捜しているうちに、 「フェロモン!」ということばが舞い降りた。
歌会での評は、だいたい予想通りだったけど、わたしと同じように、「フェロモン派?」がいらしたことがうれしかった。
このウタで詠いたかった感覚は、のびやかでまっとうで、この季節ならではの生命力にあふれたものだったのだ。
強烈なイメージをうまく利用できるか、あるいは、今回したかったように「ことばの再定義」を読み手に受け入れてもらえるだけの力を持ちえるのか。
今回は、もちろん十分でなかったろう。
でもイメージの強烈な言葉を、歌に使うときの覚悟はできていたから、それが確かめられてよかった。
うたともは、ありがたい。
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