追悼 絵門ゆう子さん
8日(土)の朝日新聞朝刊を読んでいて、はっと眼に入ったコラム。
「絵門さん、旅立ちの日」
まさか、と読み進めて、7日に絵門さんの葬儀が東京都中央区の聖路加国際病院の礼拝堂で行われたと知る。
絵門さんのプロフィールや、活動は、こちらのサイトを参照してください。
絵門ゆう子のメッセージーゆっくり生きよう
絵門さんは、元NHKアナウンサー。2003年の本の出版でがんになったことを知った。
その後、骨にまでがんが転移している状態にもかかわらず、朗読会や講演会などがん患者の生き方や環境を支える運動を精力的にこなされてきた。
朝日新聞東京版に、コラムがあって、打ちひしがれそうになる体を心を、全力で燃やし続けた。こんなに大変な体なのに、どうして? という思いとこんなに大変だからなんだという重たい気持ちで見つめていた。
3月30日の「がんとゆっくり日記」を読むと、心の奥に秘めていたものを吐き出そうとしているように見えた。つづく、はずのものが、さいごになって終わっている。
きっと不安だったし、怖かったし、わーわーと泣き叫びたかったんじゃないか。でも周りの期待に言えない本音もあったんじゃないか。その本音を吐き出させてあげたかった。
たとえば、ウタで。
でもそんなこといっても、絵門さんは、すべてを自分で選んだんだ。
絵門さんの訃報は、「ああ、なんてこと」と「やっぱりそうだったのか」とが同居する。でもあまりに見事で、泣きながら拍手しよう。
ほんとにこんな見事な幕の引き方。絵門さん、ゆっくりおやすみなさい。
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コメント
◇史さま
そうでしたか、先輩だったのですね。
最後の何回かで書きたかったことが一番いいたかった本音だったんじゃないかしら、と思いました。
絵門さんは絵門さんらしい幕引きをしたように思います。
うたびとだったら、最後まで詠うかもしれませんね。発表するしないにかかわらず。
投稿: しづく | 2006/04/10 22:13
朝日のコラムは良く読んでいました。
>きっと不安だったし、怖かったし、わーわーと泣き叫びたかったんじゃないか。でも周りの期待に言えない本音もあったんじゃないか。
これには激しく同感。手放しで泣けなかった辛さも抱えてたんだろうなあ。
絵門さん、実は中高の先輩だったことを母校のMLで先日知り、
同じ桜を眺め、同じ制服を着てたこともあったんだ、なんて考えたら
余計にしんみりしてしまいました。
ご冥福をお祈り致します。
投稿: 史 | 2006/04/10 11:52