短歌ライブ「戦後と短歌」
娘の運動会と重なって、午後から遅刻して見に行こうかと迷いつつ予約していた辰巳泰子さんの短歌イベント「戦後と短歌」。
娘の運動会は、台風で延期になった。
これは、神様が「行け」と言ってる?
新宿百人町のネイキッドロフトは、とてもこじんまりした感じのよいライブハウスだった。
ステージの台は、たたみ3畳くらいしかない。
こじんまりといえども、さすがに照明や音響設備はちゃんとしてる。
見てきたもの、聞いてきたものをそっくりうつす気はない。
あそこへ時間とお金とエネルギーをかけて行った人だけが共有できるのが、ライブだと思うから。
ライブだから話してくれることがあったから。
わたしの感想だけ書いておきたい。
(※ほぼ帰宅したての、脊髄反射文章から、9/26少し修正しました。)
◇第一部 「戦後と短歌」篠 弘 × 岩田 正
篠氏は、短歌を読む人なら誰でもご存知だと思う。岩田氏は、馬場あき子氏のパートナーと聞く。
岩田さん(と呼びたい)。ふんわりと座ってるお姿を拝見しただけで、この人を好きになった。
お話が始まったら、もっと好きになった。
塚本邦雄の作品を手書きのプリントにして配布、解説してくださった。
キーワードは、危機感。
21世紀は、もはや孤独は常識。そこから立ち上がるものの輪郭がぼんやりと遠くにゆれた。
◇第二部「これからの短歌」 奥村晃作 × 枡野浩一
奥村さんは、「ただごと短歌」の提唱者。一方、枡野さんは、「あらすじ短歌」はだめだといい続けてきた。
よくこの組み合わせが成り立ったなーと思ったが、奥村氏はものすごくこだわりのないおもしろい方だった。
奥村さんの語りは、熱っぽくて生き生きしていて、この人が書いたからあの「ただごと歌」なんだ、と合点がいった。
ほかのキャラクターじゃだめかもしれない。
枡野氏は、ウェブ上で展開される投稿形式のやり方で悩んでいるようだった。
わたしが口出しすることではないけど、率直な感想を言わせてもらえば、
「枡野さん、こんな短歌好きでしょ?」って投稿される短歌は、だめだと思う。
これは、「枡野さん」のところに別の選者を当てはめてみても、同じこと。
◇第三部 『セイレーン』 朗読 辰巳泰子
舞台のわきから、朗々と歌声が響いた。
♪し~んだ~おとこが~の~こしたものは~
後から谷川俊太郎の詩だったと聞く。
これから始まるテーマを象徴しているようで、まだ朗読が始まる前から、いつしか涙がつぅーつぅーこぼれてしまうのをどうしようもできなかった。
朗読の間も、何回も泣いた。外でお神輿がピーピー通ろうとも集中できた。
辰巳さんは、息子さんに「あなたは男だから」と言われたようだけど、わたしはそうは思わない。
あなたの歌の中に潜む、母性的な愛情が、わたしを泣かせたのですから。
◇おまけ
佐々木あららさんの姿を見つけ、一部、二部で拍手している姿を見ていたら、あのジョジョ読みの無謀さは、なにかの決心だったのかと勝手に想像してみました。はずしてたらごめんなさい。
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コメント
◇佐々木あららさま
Wow! (ご本人様登場に静かに感動。)
勝手に意味付けしてすみませんでした。
「おもしろいかなあ」にしてはハードで、要点のつかみ方がすごかったです。(^^)
「ジョジョ読み、すごかったですね」と伝えたかったのですが、ほかの方とお話していて忙しそうだったので、声をかけられませんでした。
また、どこかで。
投稿: しづく | 2005/09/26 18:20
そんなたいそうなもんじゃございやせんて。
やったらおもしろいかなあ、と思ったからやってみた。以上です。
投稿: 佐々木あらら | 2005/09/26 17:03