お気に入りの店
わたしはこのところ、わりとちょこちょこ通ってる店がある。
食べ物屋さんでも洋服屋さんでもなく、雑貨屋や本屋でもない。
時計屋さんであり、アクセサリーの修理や作り直しをしてくれるお店だ。
きっかけは、2日後に合宿で使う娘の腕時計の電池がきれて、あわててどこか交換してくれるところはないかと探して飛び込んだのだ。
自動ドアに、「1級時計技師」(だったかな?)と名前が書いてある。
店に入ると、店中ステンドグラスのランプや照明がきらきらしてる。(後でよくみたらこれは商品だった)
奥から白衣のおじいさんが出てきた。
ビロード敷きの小さなトレーに時計を受け取ると、奥へ消えた。
別の人(息子さん?)が二階から降りてきて、作業を始めると、おじいさんはわたしに時計の話をしてくれた。
「電池がぬいてあったけど、入ってなかったの?」 と聞かれた。
「いえ、市販の電池で交換できるかと思って、わたしが抜いたんです」と答えると、
「電池は、時計が止まっても入れておくほうがいいですよ。回路が止まってしまう」
「それに、ふたは、専門の機械でしめるから、むやみにあけると、入らなくなりますよ」
その他に防水の話とかもしてくれて、おじいさんがほんとに時計が好きで、根っからの時計職人だということが全身からほとばしるオーラでびんびん伝わってきた。
(なんかこういう人、好きだ・・・。)
おじいさんは、電池が入って動き出した時計を再びトレーに置いて差し出してくれた。
子ども用のスヌーピー柄の時計なのに。
さすが、どんな時計でも素手ではさわらないのだな、と密かに感動した。
それ以来、ネックレスのワイヤー切れを直してもらって、先日は、壊れたイヤリングも直してもらった。
でも、おじいさんにはなかなか会えない。
お店は、主に息子さんがやってるようだ。
なんとかしておじいさんがいるときに行こうと思ってるのだが、うまくいかない。
そうこう思ってると、いつもの革のバンドの時計が止まっていた。
よし、また持っていこう、と思っている。
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コメント
◇柚月
うふふ。『センセイの鞄』か、『博士の愛した数式』か。お店もレトロな雰囲気なの。
時計がとまっても、電池から微量な電流が流れているらしいのです。だからそのままで、なるべく早めに交換(微量だからやがてなくなる)してくださいとのことでした。
あのおじいさんには、「この人だ!」ってひらめきを感じたの。たまちゃん(AQウタとも)が言うところの「わたしだけにわかる印がついてる」。
ちなみに息子さんは寡黙なタイプ。
「ぼくはほんとーはげーじゅつをやりたいんだけど、くってけないから、こーゆー仕事もしてるのさ」みたいな雰囲気の人です。<注:一部妄想。
投稿: しづく | 2005/03/04 08:51
なんかいいね、その会話。
なんかちょっと「センセイの鞄」を彷彿とさせるフンイキだぞよ。^^
電池って時計が止まっても抜かないほうがいいのね。1つ勉強になりました。ありがとう~!
投稿: 柚月 | 2005/03/04 00:13