本がささやく
私は本屋さんで不思議な体験をすることがある。
本をぱらぱらと立ち読みしているうちに、「わたしを買って!」と本がささやくのだ。
いま、買わないと後悔しそうで、内容も全部読んだわけではないのに、なんだか私にすごく必要な本だという予感がズキズキする。
こうして手に取った本に、「ジョン・レノン─ALL THAT JOHN LENNON」 北山修ほか著、中央公論社がある。1981年に発行されたこの本を見つけたのは、学生のときで、近所の古本屋だったと思う。この本は最初からわたしにささやきかけてきた。そして今2004年、手に取り読み直している。
もう一冊は「李白詩選」 松浦友久編訳、2001年岩波書店。これは最近見つけた。一度李白を読んでみたいと思っていたが、図書館で見つけられずにいたものだった。
先日旅先で出会った本も、ささやいてきた。実はその旅先の宿にこの本が置いてあって、手遊びにページを繰るうちに、ふるえるような気持ちになった。この本が語ってくれることが、将来の私にとって、光となるような予感がした。そして今日、その本をネットで注文した。
「白洲正子への手紙」 文化出版局
こうやって並べてみると、すべてに伏線がある。日ごろ興味を持っていること、気になってること、誰かが良いと言っていたこと、そういった思い、知識、記憶の伏線があるからこそ、それに出会ったとき、何かがささやいてくれるのだ。大事なのは、そういうアンテナをたてておくことかもしれない。そしてそれに何かひっかかったら、ためらわず捉まえること! いつだってチャンスの神様は前髪しかないのだ。
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